内容説明
「寝殿造」は定型的に理解されてきた。しかし最近の発掘事例には、建物の配置や様式など、その多様性が予感される知見も少なくない。真相を解明するためには新出の発掘資料と旧知の学問を対照し、両者を乗り越えることが重要である。日本史・建築史・考古学・庭園史の専門家が、都市住民のはしりである平安貴族の住まいのあり方を複眼的に探り、問題を提起する。
目次
第1部 平安貴族の住まい(平安京と町・戸主の編制;「寝殿造」とはなにか;里内裏の庭園遺構)
第2部 貴族の住まいの移り変わり(平城京における宅地の構造・分布・変遷;鳥羽殿跡のふたつの貌;平泉と京都の庭園の類似性;鎌倉の武家屋敷解明に向けて)
第3部 平安貴族の暮らし(一九七三年発見の朱雀院跡掘立柱建物;淳和院と陶磁器類;古代の貴族住宅と宗教―居住空間における信仰と儀礼)
著者等紹介
西山良平[ニシヤマリョウヘイ]
京都大学大学院人間・環境学研究科教授。日本古代・中世の社会史・文化史
藤田勝也[フジタマサヤ]
関西大学環境都市工学部教授。建築史・住文化史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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