恋する女―一葉・晶子・らいてうの時代と文学

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 413p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784875170822
  • NDC分類 910.26
  • Cコード C0095

内容説明

女性作家にとって「恋すること」は、仕事すること、生きることそのものだった。一葉・らいてう・晶子をはじめ、野上弥生子、長沼智惠子、田村俊子、宮本百合子らの詩歌、小説、日記を通して、片想いから三角関係、同性の恋まで、百花繚乱の恋を論ずる。

目次

1 一葉の恋(告白小説「雪の日」と一葉の恋;龍泉寺町時代、一葉の深化―分身・天皇観・死;「たけくらべ」―両極存在に引き裂かれた少年と少女;「にごりえ」―井戸の底で生きる女の恋;「十三夜」と月の暗示―父の沈黙、娘の沈黙;花川戸をめぐる樋口一葉と佐多稲子)
2 晶子の挑発(『みだれ髪』―女の乱世へ;晶子の「月」・らいてうの「太陽」;山姥たちの歌―小説「故郷の夏」を読む)
3 らいてうの飛翔(平塚らいてうと成瀬仁蔵の思想的ドラマ;『青鞜』の女性詩人たち―ジェンダーの惑乱)
4 ロマンティック・ラブの時代へ(悲恋のかくし味―野上弥生子「七夕さま」をめぐって;野上弥生子の結婚と自己実現―幻の「処女作」「明暗」;三角形の恋 光太郎・智惠子・俊子―女性へのサディズムと火あぶり幻想;物語として読む『伸子』―身分ちがいの恋と結婚;近代の恋の神話―「トリスタンとイズー」を中心に)

著者等紹介

高良留美子[コウラルミコ]
詩人・評論家・作家。1932年東京生まれ。日本女子大学附属高校を経て東京藝術大学美術学部、慶応義塾大学法学部に学ぶ。学生の先鋭な文化雑誌「希望(エスポワール)」に参加。56年船でフランスへ短期留学、アジアの問題にめざめる。国立近代美術館事業課勤務。70年アジア・アフリカ文学運動に参加、アジアとアフリカの詩を訳す。89~96年城西大学女子短大文学部客員教授。94年新・フェミニズム批評の会に参加。97年女性文化賞を創設。第13回H氏賞、第6回現代詩人賞、第9回丸山豊記念現代詩賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。