出版社内容情報
《春の海》ほか数々の名曲の作曲家として知られ、日本音楽を現代に生まれ変わらせた不世出の箏曲家・宮城道雄(1894〜1956)。
20世紀前半の激動を生き抜き、作曲・演奏・楽器開発・教育・著述にマルチな才能を発揮した天才芸術家の生涯を、人間味あふれるエピソードをまじえながら生き生きと描き切った決定版評伝。
著者プロフィール
千葉優子(ちば・ゆうこ)
武蔵野音楽大学大学院修士課程修了(音楽学専攻)。現在、(一財)宮城道雄記念館資料室室長。慶應義塾大学、青山学院大学、フェリス女学院大学各講師。2007年、『ドレミを選んだ日本人』(音楽之友社)で第23回ロゲンドルフ賞を受賞。『箏曲の歴史入門』『日本音楽がわかる本』(以上、音楽之友社)ほか著書論文多数。「宮城道雄の世界」(NHKラジオ第2にて26回放送)など放送講演活動もおこなう。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
すっちゃん。
1
宮城道雄って、「春の海」を作った人ってことぐらいの知識だったけど、すごい人ってことがわかった!目が見えなくてもできることはたくさんあって、何事もチャレンジすることが大切なんだと思えた。また、西洋音楽が入ってきたり、邦楽が目まぐるしく動いていた激動の時代の中で音楽について学び続ける道雄の姿はステキだった。私もそういう教育者になりまい。また、道雄の謎の死について調べたい、そして誰かと語りたい。あれは自殺なのか、事故なのか、他殺なのか。謎が深まるばかり。2017/06/25
筋書屋虫六
1
箏は江戸時代に大成され、江戸幕府に保護された「当道」という組織に属する盲人男性音楽家たちによって伝承されてきた音楽だという。明治27年生の宮城道雄は8才の時に失明を宣告され箏曲地唄の道に入るが、ご一新以後「当道」を保護する政策はすでになく、道雄はプロの演奏家・マルチな作曲家として新しい時代を拓きながら生き抜いていった。西洋音楽が輸入され、邦楽は時代遅れで低俗なものと大衆の感性が変っていく状況の中で、西洋音楽を学び邦楽に取り込み、批判をはね返し、大衆を味方につけて結果として古典と邦楽を守った音楽家だった。2016/04/17
💦
0
すごいボリューム。インターネットをさがしても見つけられないことばかり。とても勉強になった。最後のほうの宮城氏の言葉が響いた。2016/02/23
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