出版社内容情報
「長編小説(ロマン)と詩」を筆頭に、長編小説をめぐる原論的考察を中心とする前半の理論篇、ラブレー、セルバンテス、ラクロ、シャトーブリアン、バルザック、ユゴー、マラルメ、プルースト、そしてビュトール自身を対象とするモノグラフィからなる後半の応用篇という二連画(ディプティック)が、いつしか長編小説(ロマン)の似姿となり、みずからを超克していく――小説を超える小説(シュルロマン)としての文芸批評、ここに開幕!
内容説明
聖画破壊者のような超=小説家の肖像が評論集第二弾にしていよいよそのヴェールを脱ぐ!「長編小説と詩」を筆頭に、長編小説をめぐる原論的考察を中心とする前半の理論篇、ラブレー、セルバンテス、ラクロ、シャトーブリアン、バルザック、ユゴー、マラルメ、プルースト、そしてビュトール自身を対象とするモノグラフィからなる後半の応用篇という二連画が、いつしか長編小説の似姿となり、みずからを超克していく―小説を超える小説としての文芸批評、ここに開幕!
目次
長編小説と詩
音楽すなわちリアリズム芸術
長編小説の空間
「家具の哲学」
長編小説における人称代名詞の使用
長編小説における個人と集団
長編小説の技術をめぐる探求
ページについて
物体としての本
いわゆる「一二一人宣言」について
批評家と公衆
ラブレー
「模範小説集」
「危険な関係」について
シャトーブリアンと旧アメリカ
貧しき縁者
さかさまのバベル
小説家ヴィクトル・ユゴー
ブーレーズによるマラルメ
プルーストにおける架空の芸術作品
「テル・ケル」誌への回答
著者等紹介
ビュトール,ミシェル[ビュトール,ミシェル] [Butor,Michel]
1926‐2016。フランスの小説家、詩人、批評家。フランス北部モン=ザン=バルールで生まれる。ヌーヴオー・ロマン(Nouveau Roman)の作家の旗手のひとりと目される。1956年、小説第二作『時間割』(L’emploi du temps)でフェネオン賞(le Prix F´en´eon)を受賞、翌年1957年第三作目の『心変わり』(La Modification)でルノドー賞(le Prix Th´eophraste Renaudot)を受賞し注目を集めた。1960年に四作目の『段階』を発表後は小説作品から離れ、1962年『モビール―アメリカ合衆再現の秀作』を皮切りに空間詩とよばれる作品を次々と発表し始める。画家とのコラボレーション作品は数多く、書物を利用した表現の可能性を追求し続けた
石橋正孝[イシバシマサタカ]
1974年、横浜生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得退学、パリ第八大学大学院博士課程修了、博士(文学)。現在、立教大学観光学部准教授。専門は十九世紀フランス文学(ジュール・ヴェルヌ)
三ツ堀広一郎[ミツボリコウイチロウ]
1972年、神奈川県生まれ。早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程修了、博士(文学)。現在、東京工業大学リベラルアーツ研究教育院教授。専門は現代フランス文学
荒原邦博[アラハラクニヒロ]
1970年、東京都生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得退学。パリ第四大学大学院博士課程DEA修了、博士(学術)。現在、東京外国語大学大学院総合国際学研究院准教授。専門は近現代フランス文学、美術批評研究
中野芳彦[ナカノヨシヒコ]
1982年、愛知県生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程退学後、パリ第七大学大学院博士課程修了、博士(文学)。現在、慶應義塾大学商学部専任講師。専門はフランス近代詩、特にヴィクトル・ユゴー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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