検閲と発禁―近代日本の言論統制

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  • サイズ A5判/ページ数 465p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784864051040
  • NDC分類 023.8
  • Cコード C1095

出版社内容情報

検閲原本に残された痕跡から思想弾圧の実態を明らかにし、戦前から戦中に繰り広げられた発禁をめぐる出版界と体制側の攻防を探る。戦前から戦中に繰り広げられた発禁をめぐる出版界と体制側の熾烈な攻防。
検閲原本に残された痕跡から思想弾圧の実態を明らかにし鴎外、芥川、未明をはじめとする作家らが検閲とどう対峙したかをさぐる。

はじめに………………9
第一部 近代文学と検閲の攻防
? 自由民権運動
?─1 明治中期横浜の出版人吉永良延と発行禁止………………13
?─2 問題児川上音二郎──脱法的表現活動からの転身………………33
? 鴎外の戦い
?─3 森鴎外と検閲──「ヰタ・セクスアリス」発禁に始まる戦い………………41
?─4 森鴎外「蛇」の検閲と読者の身体………………49
?─5 森鴎外「山椒大夫」の治者………………69
?─6 森鴎外の歴史小説と検閲の抑圧………………84
? 反骨とレジスタンス
?─7 芥川龍之介「影」の反骨精神──検閲官を愚弄する小説………………103
?─8 近代小説としての「赤い蝋燭と人魚」………………111
?─9 雑誌『農民闘争』の発禁と埴谷雄高の収監………………130
? 昭和維新運動と新官僚
?─10 岡本綺堂「経帷子の秘密」の鎮魂………………143
?─11 佐藤春夫「律義者」、江戸川乱歩「芋虫」の検閲………………161
?─12 検閲官生悦住求馬小伝………………173
第二部 検閲原本の探求
概説………………196
一九一六年(大正五)………………214
『日支併合論』
一九一九年(大正八)………………216
『新社会』二月号/『新社会』七月号
一九二三年(大正一二)………………223
『若人』一一月
一九二四年(大正一三)………………226
『文芸と宗教』二月創刊号/『社会主義研究』五月創刊号/『急進』一〇月号
一九二五年(大正一四)………………240
『急進』二月号/『原始』一〇月号/『文学界』一月号
一九二六年(大正一五・昭和元)………………250
『労農文化』四月号/『労農文化』五月号
一九二七年(昭和二)………………256
『原始』三月号
一九二八年(昭和三)………………260
『矛盾』九月
一九二九年(昭和四)………………267
『童話運動』二月号/『労働芸術家』三月/『少年戦旗』一〇月号(独立創刊号)
一九三〇年(昭和五)………………275
『十二番街』四月/『産児制限評論』五月号/『世界の動き』六月号/『国鉄時報』一一月号
一九三一年(昭和六)………………290
『社会思想研究』一〇月/『財界時報』一一月号
一九三二年(昭和七)………………296
『芸備之友』二月/『働く婦人』六七八月合併号/『働く婦人』八月号(改訂版)/
『バツト』一〇月創刊号/『湘友会誌』一一月創刊号
一九三三年(昭和八)………………315
『農民の旗』三月号/『コツプ神奈川地方協議会パンフレツト』三月/『映画クラブ』一二月
一九三四年(昭和九)………………326
『霊化』二月号/『月刊維新』一二月号
一九三五年(昭和一〇)………………345
『財界彙報』一月号/『るねつさんす』二月創刊号
一九三六年(昭和一一)………………351
『維新』六月号/『週刊日独通信』六月八日/『日本歌人』九月号
一九三七年(昭和一二)………………371
『法の流』一月号/『鳰の巣』六月/『他山の石』一〇月
一九三八年(昭和一三)………………381
『土木』一月号/『経済マガジン』三月号
一九三九年(昭和一四)………………388
『槐』五月/『新風土』六月号
一九四〇年(昭和一五)………………395
『躍進』八月号/『学友』一〇月号/『南湖院一覧』一九三九年(昭和一四)度版
第三部 資料編
資料概説………………416
資料? 内務省警保局編「禁止項目」………………418
資料? 「検閲基準」──一九三〇年(昭和五)………………427
資料? 「北支事変ニ関スル一般安寧禁止標準」──一九三七年(昭和一二)八月一三日………………431
資料? 山形県特高課「出版警察執務要綱」………………433

初出一覧………………446
あとがき………………448
索引………………465

水沢不二夫[ミズサワフジオ]
水沢不二夫(みずさわ・ふじお)
1964年、神奈川県茅ヶ崎市生まれ。湘南工科大学附属高等学校、東海大学日本文学科卒業。東海大学大学院文学研究科博士課程単位取得満期退学。
高校講師、予備校講師を経て、現在は東海大学・関東学院大学非常勤講師。
専攻は日本近代文学。

「改訂1版 水沢不二夫のホームページ」http://www.geocities.jp/kafuka1964

内容説明

戦前から戦中に繰り広げられた発禁をめぐる出版界と体制側の熾烈な攻防。検閲原本に残された痕跡から思想弾圧の実態を明らかにし鴎外、芥川、未明をはじめとする作家らが検閲とどう対峙したかをさぐる。

目次

第1部 近代文学と検閲の攻防(自由民権運動;鴎外の戦い;反骨とレジスタンス ほか)
第2部 検閲原本の探求(一九一六年(大正五)―『日支併合論』
一九一九年(大正八)―『新社会』二月号/『新社会』七月号
一九二三年(大正一二)―『若人』一一月 ほか)
第3部 資料編(内務省警保局編「禁止項目」;「検閲基準」―一九三〇年(昭和五)
「北支事変ニ関スル一般安寧禁止標準」―一九三七年(昭和一二)八月一三日 ほか)

著者等紹介

水沢不二夫[ミズサワフジオ]
1964年、神奈川県茅ヶ崎市生まれ。湘南工科大学附属高等学校、東海大学日本文学科卒業。東海大学大学院文学研究科博士課程単位取得満期退学。高校講師、予備校講師を経て、東海大学・関東学院大学非常勤講師。専攻は日本近代文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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rbyawa

2
h050、検閲の歴史めいた部分が知りたかったものの、出版法や新聞法が出て来たあとくらいから小説の王道部分に。森鴎外はいいと思うものの、芥川龍之介はちょっと主題がぼやけてないかなぁ…(当時の随筆などを見ていたら近い内容もあったけどもね、そういう例を挙げないとなぁ)。要するにこれ、自主規制してたってことだよね、多分他の作家も。鴎外は小説の中に政治批判を忍ばせていたと言われ、その自己解説が載ったという『三田評論』が検閲の練習として扱われた節があるとか…あー。後半の検閲本コレクションの内容を本文に欲しかったかな。2017/07/19

あやみん

1
芥川龍之介、小川未明がどのように検閲と発禁に対抗してきたのか、前半部分が特に、読み物としても面白かったです。2019/04/19

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