内容説明
江戸のサブカル。情報メディアが花開く。歌麿、写楽、北斎、広重。馬琴に一九。江戸の出版文化は華やかだった。百科事典に名所案内、怪奇小説から恋愛モノまで。多種多様な出版文化が民衆のパワーによって見事に開花した一大ルネッサンス。
目次
1 初期の出版物
2 出版と浮世絵
3 出版物と色摺
4 古典と出版物、そして江戸の学問
5 地図と名所図会
6 戯作の出版
7 美術書の出版
8 名所と浮世絵
9 絵草紙屋からのさまざまな出版物
10 西洋文化と出版
著者等紹介
内田啓一[ウチダケイイチ]
1960年神奈川県生まれ。早稲田大学大学院文学研究科博士課程満期退学。町田市立国際版画美術館学芸員を経て、昭和女子大学歴史文化学科助教授。博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Tadashi_N
28
庶民向けに出版物が成立するのは、識字率の高さが貢献している。錦絵の技術も、それに伴って開発された。2020/09/07
冬見
11
合巻部分目的で読み始めたけど、気づいたら全部読んでいた。図版の印刷が美しく解説も程よい量で読みやすい。偐紫田舎源氏がバカ売れしたというのは聞いたことがあるけど、まさかあの時代に一万部も売れるとは。多少の誇張はあるかもしれないけど浮世絵の初版部数が200枚程度であることを考えると、よほど売れたのだろう。ぺらっとした草双紙は一冊10頁程度。合巻本は草双紙が長編化したもので、一冊20頁。読本は値が張るため貸本屋を利用して読まれることが多いそう。手元に欲しいなあ。2018/10/02
keisuke
3
図書館。2023/08/08
うさっぴ
1
江戸時代の出版物も色々あって興味深かった。しかし江戸時代に書かれた文章が全く読めなかったので、当時の人はすごいなと思いました。2015/12/30
すぎやん
0
堅めの学術書や新書などではどうしても不足しがちな図版が,フルカラーで豊富に掲載されている。西洋でも評価された浮世絵,高い識字率,貸本屋の存在,木版画という世界史のなかでも珍しい出版形態など,江戸時代の出版の特徴は少なからず知ってはいたが,改めて江戸時代の出版技術・出版業の発達には驚かされた。コラムも興味深い。『南総里見八犬伝』は500部ほどだが『偐紫田舎源氏』は1万部も発行されたという。歴史好きな読書家にはぜひおすすめしたい一冊。2013/11/22