内容説明
揺れる国家、「市民」の行方―統合が進む一方、移民は増大し、ポスト国民国家の社会像も今なお明確ではない欧州。排外主義や「帝国」化を回避しつつ、一国で完結しない民主主義をどのように発展させていくのか。シティズンシップ教育に託された困難な課題への挑戦と、その多様な姿を明らかにする。
目次
揺れる国家と市民性教育
第1部 統合の中の教育と市民(ヨーロッパ教育の形成と発展過程;アクティブ・シティズンシップとヨーロッパ;学校におけるヨーロッパ市民の育成―ドイツの事例から)
第2部 政治的市民の育成(イングランドの市民性教育;フランス共和制と市民の教育;オーストリアにおける政治教育の導入;スウェーデン民衆教育における市民性教育;日本における外国人と市民性教育の課題)
第3部 移民の包摂(フランスにおける移民教育の転換;オランダにおけるムスリム移民と市民性教育;ドイツにおける参加を通じた移民の統合)
補論 日本における外国人と市民性教育の課題
著者等紹介
近藤孝弘[コンドウタカヒロ]
早稲田大学教育・総合科学学術院教授。博士(教育学)。1963年生まれ。専門は政治・歴史教育の比較研究。ドイツならびにオーストリアを主なフィールドとして、民族と国家を超える社会の形成を目指す教育政策の可能性について研究している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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