内容説明
『ドン・キホーテ』を書き上げた小説家であるだけでなく、文芸批評家・劇作家・詩人としても活躍した巨人セルバンテス。その実像は今なお謎に包まれ、絶えず人々に何かを語らしめる不思議な魅力に満ちている。時代背景から宗教性まで、作家と作品の本質に切り込む論考の数々により、批評と批判によって自らの文学観を構築した“自己洞察の天才”としてのセルバンテスの相貌を炙り出す。
目次
第1部 セルバンテス批評の現状(一九二五年から今日までの『ドン・キホーテ』批評;日本におけるセルバンテス研究)
第2部 同時代・後世への影響(『ドン・キホーテ』のスペイン性とヨーロッパ化;セルバンテスとロペ・デ・ベーガ ほか)
第3部 作品論(いま『ドン・キホーテ』をどう見るか;『ドン・キホーテ』を理解するために ほか)
第4部 セルバンテスの宗教性(セルバンテスの“ユダヤ性”に関する問題;宗教文学としての『ドン・キホーテ』 ほか)
著者等紹介
本田誠二[ホンダセイジ]
1951年生まれ。現在、神田外語大学外国語学部教授。専攻、スペイン黄金世紀文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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