死者が立ち止まる場所―日本人の死生観

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  • サイズ B6判/ページ数 371p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784794969149
  • NDC分類 114.2
  • Cコード C0095

出版社内容情報

3・11の震災のあと、被災地をはじめ、永平寺、高野山、恐山など、日本の名だたる寺を訪ね歩き、日本人の死生観をさぐった記録

日本人の母とアメリカ人の父の間に生まれた著者は、子どものときから母とともに日本各地を旅していた。父をなくし、その喪失から立ち直ることができずにいたとき、海の向こうで東日本大震災が起きた。
人はどのように死者を送り、親しい人の死を受け入れていくのか。仏教は答えをくれるのか? 
被災地をはじめ、永平寺、高野山、恐山などをめぐり、盆踊り、精霊流し、お盆の行事などを訪ね歩きながら、著者は少しずつ心の折り合いをつけていく。
ふたつの祖国をもつ著者の、死をめぐる日本文化論であり、日本旅行記でもある。

序章 

1.大災害
2.寺
3.お別れ
4 冬の悪魔
5 春爛漫
6 日本列島の仏陀
7 ともに座して
8 ともに食して
9 小さなプリンセス
10 原子の分離
11 死者のゆくえ
12 あの世
13 夏の訪問者
14 霊との告別
15 秋の紅葉
16 盲目の霊媒
17 ダース・ベイダー
18 あの世からのメッセージ

謝辞
訳者あとがき

【著者紹介】
著者は日本人の母とアメリカ人の父の間に生まれた。カリフォルニアで育ち、コロンビア大学を卒業後、作家として活躍している。「ナショナル・ジオグラフィックス」などに寄稿。また2013年にはNHKのドキュメンタリー「亡き人の魂とともに」などに出演。

内容説明

日本人の母とアメリカ人の父の間に生まれた著者は、子どものときから母とともに日本各地を旅していた。父をなくし、その喪失から立ち直ることができずにいたとき、海の向こうで東日本大震災が起きた。人はどのように死者を送り、親しい人の死を受け入れていくのか。仏教は答えをくれるのか?被災地をはじめ、永平寺、高野山、恐山などをめぐり、盆踊り、灯篭流し、お盆の行事などを訪ね歩きながら、著者は少しずつ心の折り合いをつけていく。ふたつの祖国をもつ著者の、死をめぐる日本文化論であり、日本旅行記でもある。

目次

大災害

お別れ
冬の悪魔
春爛漫
日本列島の仏陀
ともに座して
ともに食して
小さなプリンセス
原子の分離
死者のゆくえ
あの世
夏の訪問者
霊との告別
秋の紅葉
盲目の霊媒
ダース・ベイダー
あの世からのメッセージ

著者等紹介

モケット,マリー・ムツキ[モケット,マリームツキ] [Mockett,Marie Mutsuki]
日本人の母とアメリカ人の父の間に生まれ、カリフォルニアで育つ。コロンビア大学を卒業後、作家として活躍している

高月園子[タカツキソノコ]
翻訳者・エッセイスト。東京女子大学文理学部史学科卒業。在英25年(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

くさてる

19
日本人の母とアメリカ人の父を持ち、そのルーツに東北の寺を持つ著者が、父の死と東日本大震災という出来事を通じ、日本人の文化と宗教のなかに根付く死に向かいあう旅路をつづった内容。けしてお涙頂戴でも日本スゴイ話でもなく、落ち着いたユーモアさえある内容なのに、私は泣いた。これまでに出会った人々の死と、これから待ち受けるであろうたくさんの死を思わずにはいられずにしずかに泣いた。答えはどこにもないけれど、それでも何かを求めずにはいられない著者の旅を、大事なひとに永遠に会えなくなったひとにぜひ知ってもらいたいです。2016/07/26

テツ

18
小学校に入った頃。死というイベントについて考え生というモノについて考えて怖くなった。自分がコントロールしている自分という存在がいつか必ず消え去るという事実への絶望感。それが約束されているのに生きなければならないことの虚しさ。年月を経てもその絶望と虚しさは変わらず渦巻いている。日本人の死生観とその成り立ちを知るには良い本だったけれど、僕が知りたいのは何故僕が生まれて何故死んでいくのかという一点であり根本的には他者の死なんてどうでもいいのでそういう意味では救いはなかった。読み物としては面白い一冊です。2017/09/27

eirianda

11
日本人だからと言って日本人の死生観について語れ、と言われても分かっているようで分かっていない、語れないと思う。仏教の法事も、それが何か、どういう感性で受け入れるかあまり考えない。死について語ることは日常でない。今では死と接することも少ない。ことが起こって初めて考えるので、身近な人の死を実際体験すると、思いがけなく抑鬱状態に陥るんじゃないか。著者の日本の血を引く外国人という立場は、ある意味外に身を置いて俯瞰的に、その死を弔う日本での体験を分かりやすく表現できたのだろう。身内が死んだら再読するのもいいかも。2016/04/22

DEE

6
アメリカから日本を見た場合だけでなく、異国の死に対する姿勢は驚かされることが多いのだろう。少なくとも日本は遺体を川には流さないし。 でも、そこに文化の違いが如実に表れるのも確か。 色々な宗教はあるけど、その時になって自分が死というものを受け入れられるかは、その時になってみないとわからないんだろうな。2017/02/07

coldsurgeon

6
日本人の死生観について、日本人の母とアメリカン人の父を持つ著者が書いたものの訳本である。日本特有の死にまつわる伝統行事や日本の美しさを再発見し、高僧の話に耳を傾ける間に、懐かしさや哀切の感情がこみ上げてくる。季節は巡り、人は生まれ、人は死んでいく。そのことを深く想い、読み終えた。2016/07/20

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