内容説明
南部アフリカのサバンナの民ルヴァレと、西アフリカの熱帯雨林の民ファンティ。著者は双方の社会で人びとと暮らしをともにし、最新の理論研究をふまえて詳細な音楽民族誌を提示する。二つの文化にまったく異なるアプローチ―構造分析的アプローチと社会史的アプローチ―を適用し、音楽研究の方法論的な刷新を促す第一人者からの挑戦。
目次
アフリカ音楽といかに向き合うか
序論 アフリカ音楽学の基礎(アフリカ音楽総覧;アフリカ音楽学の展開)
第1部 システムとしての「音の文化」―ルヴァレ社会の音楽民族誌(ルヴァレ社会の民族誌的背景;ムカンダの音楽民族誌;分類基準としてのリズム;和声的多様性の原理;太鼓音節とオノマトペ)
第2部 政治権力と伝統の変容―ファンティ社会の音楽民族誌(ファンティ社会の民族誌的背景;社会を映す軍楽と宮廷音楽;文化政策の衝撃;伝統的「著作権」意識の変容;宮廷音楽ハイライフ様式の成立)
「音楽学」のアイデンティティに向けて
著者等紹介
塚田健一[ツカダケンイチ]
1950年東京生まれ。東京藝術大学大学院音楽研究科修士課程修了、ベルファスト・クイーンズ大学大学院社会人類学科博士課程修了。Ph.D。広島市立大学国際学部教授。民族音楽学・文化人類学専攻。国際伝統音楽学会理事、国際アフリカ音楽舞踊センター理事、ユネスコ無形文化遺産審査委員(アフリカ担当)などを歴任。音楽学と人類学の境界領域で、これまでアフリカのほか、台湾山地、パプアニューギニア、沖縄などの音楽文化の研究に従事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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