神奈川大学人文学研究叢書<br> 破壊のあとの都市空間―ポスト・カタストロフィーの記憶

個数:

神奈川大学人文学研究叢書
破壊のあとの都市空間―ポスト・カタストロフィーの記憶

  • ウェブストアに1冊在庫がございます。(2024年04月26日 14時53分現在)
    通常、ご注文翌日~2日後に出荷されます。
  • 出荷予定日とご注意事項
    ※上記を必ずご確認ください

    【ご注意事項】 ※必ずお読みください
    ◆在庫数は刻々と変動しており、ご注文手続き中に減ることもございます。
    ◆在庫数以上の数量をご注文の場合には、超過した分はお取り寄せとなり日数がかかります。入手できないこともございます。
    ◆事情により出荷が遅れる場合がございます。
    ◆お届け日のご指定は承っておりません。
    ◆「帯」はお付けできない場合がございます。
    ◆画像の表紙や帯等は実物とは異なる場合があります。
    ◆特に表記のない限り特典はありません。
    ◆別冊解答などの付属品はお付けできない場合がございます。
  • ●店舗受取サービス(送料無料)もご利用いただけます。
    ご注文ステップ「お届け先情報設定」にてお受け取り店をご指定ください。尚、受取店舗限定の特典はお付けできません。詳細はこちら
  • サイズ A5判/ページ数 366p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784787234124
  • NDC分類 361.78
  • Cコード C0036

出版社内容情報

フランス革命、世界大戦後のヨーロッパとヒロシマ・ナガサキ、関東大震災、9・11と3・11……。加害と被害、騒乱と破壊、壊滅と再生の現場としての都市空間は、「あの日のあと」=ポスト・カタストロフィーに何を残したのかを問い直す10人の論考と聞き書き。

はじめに 熊谷謙介



序章 ポスト・カタストロフィーの都市とは何か――パリ、ニューヨーク、ヒロシマ、ナガサキ 熊谷謙介

 1 意味が重層する場――パリ、共和国広場

 2 「不在の反映」――ニューヨーク、グラウンド・ゼロ

 3 モニュメント、メモリアル、遺構、墓――ヒロシマ、平和記念公園

 4 現在進行形の廃墟――ナガサキ、旧浦上天主堂



第1章 禁域の効能――欲望喚起装置としての「内裏」と、古代都市平安京の消長 深沢 徹

 1 はじまり(傍点4字)としての遷都――『平家物語』の場合

 2 移動する都市の中心軸――『池亭記』の場合

 3 空洞化する平安内裏――『新猿楽記』の場合

 4 禁域としての私秘空間――『方丈記』の場合



第2章 瞬間と持続、暴力と審美化の間で――リスボン大震災からフランス革命に至る時期の廃墟イメージ 小澤京子

 1 崩落の光景

 2 永続と瞬間――廃墟をめぐる二つの時間性

 3 瞬間性と仮設性



第3章 「古きパリ」の誕生――フランス革命後のもう一つの都市再生 泉 美知子

 1 革命期のパリの破壊

 2 景観への新たな眼差し

 3 「古きパリ」の誕生へ



第4章 カタストロフィーを生き抜く――『風と共に去りぬ』スカーレットとアトランタ 山口ヨシ子

 1 スカーレットはアトランタと同い年

 2 鉄道から生まれ、鉄道とともに発達した町

 3 アトランタ陥落

 4 「フェニックス・シティ」とその人種問題

 5 『クランズマン』『国の創生』から『風と共に去りぬ』へ



第5章 パリは燃えているか?――パリ・コミューンの廃墟をめぐって 熊谷謙介

 1 火災とイコノクラスム

 2 「語られる」廃墟――文学者たちのコミューン

 3 「撮られる」廃墟、「売られる」廃墟

 4 都市の再生?――チュイルリー宮殿とサクレ・クール寺院



第6章 グロテスク・フォトモンタージュ・ニュービジョン――第一次世界大戦後ベルリンの視覚文化に見る都市と身体 小松原由理

 1 スペクタクルとしての第一次世界大戦

 2 都市情報紙からリトファス柱へ――ベルリン一九二〇年代視覚文化層を形成する十九世紀的土壌

 3 グロテスクという手法――ジョージ・グロスとオットー・ディックス

 4 フォトモンタージュという手法――都市と身体の部分化と再編成

 5 ニュービジョンという手法――都市の身体に内蔵されたカメラ・アイ

 6 再び消えゆく都市と人間の身体



第7章 〈関東大震災〉の記号学――秋田雨雀「骸骨の舞跳」をめぐって 日高昭二

 1 あなたも然んなことを信じてゐるんですか

 2 この顔を見て呉れ給へ

 3 何も知らされてゐない。また何も知ろうと思つてゐない

 4 骸骨よ、跳り出せ!



第8章 二十世紀ローマの二つのカタストロフィー(?)――モラヴィアが見たファシズムの崩壊とアントニオーニが見た「奇跡の経済成長」 鳥越輝昭

 1 Il conformistaと「正常さ」の問題

 2 『情事』と「奇跡の経済成長」



第9章 〈廃品(ルビ:ジャンク)〉からの創造――S・ロディアのワッツ・タワーとブラック・ロスアンジェルス 土屋和代

 1 サバト(あるいはサミュエル、サム、サイモン)・ロディアの生涯

 2 ワッツ・タワーを救え!――愛国者のアートとして

 3 舞台としてのワッツ

 4 ワッツ蜂起後――〈廃品(ルビ:ジャンク)〉からの創造



第10章 カタストロフィーを超えて立つ武術家の表象――天安門事件後の徐克(ルビ:ツイ・ハーク)と映画『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ』シリーズ 村井寛志

 1 天安門事件と徐克

 2 地域的英雄(ルビ:ローカル・ヒーロー)と国民的英雄(ルビ:ナショナル・ヒーロー)の間――『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ』

 3 去りゆく者たちへの愛惜――『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ天地大乱』

 4 国家の中枢へ――『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ天地争覇』



第11章 三・一一後の記録・物語――小森はるか+瀬尾夏美インタビュー 聞き手:熊谷謙介

神奈川大学人文学研究所[カナガワダイガクジンブンガクケンキュウショ]

熊谷 謙介[クマガイ ケンスケ]
神奈川大学外国語学部准教授。専攻はフランス文学・文化、表象文化論。著書にLa F?te selon Mallarm?. R?publique, catholicisme et simulacre(L'Harmattan)、共著に『〈68年〉の性』『〈悪女〉と〈良女〉の身体表象』(ともに青弓社)、共訳書に『古典BL小説集』(平凡社)など。

内容説明

革命と内戦、蜂起と襲撃、国家間の戦争と自然の荒ぶる力にのぞんで、加害と被害、騒乱と破壊、壊滅と再生の現場としての都市空間は、「あの日のあと」=ポスト・カタストロフィーに何を残したのかを、10人の論考とアーティストたちへのインタビューを通して描き出す。災害がたえず起こり、分断が世界中に亀裂を走らせるいま、破壊の「あと」を具体的な都市表象から考察し、「都市を生きること」を問う新しい都市論。

目次

ポスト・カタストロフィーの都市とは何か―パリ、ニューヨーク、ヒロシマ、ナガサキ
禁域の効能―欲望喚起装置としての「内裏」と、古代都市平安京の消長
瞬間と持続、暴力と審美化の間で―リスボン大震災からフランス革命に至る時期の廃墟イメージ
「古きパリ」の誕生―フランス革命後のもう一つの都市再生
カタストロフィーを生き抜く―『風と共に去りぬ』スカーレットとアトランタ
パリは燃えているか?―パリ・コミューンの廃墟をめぐって
グロテスク・フォトモンタージュ・ニュービジョン―第一次世界大戦後ベルリンの視覚文化に見る都市と身体
“関東大震災”の記号学―秋田雨雀「骸骨の舞跳」をめぐって
二十世紀ローマの二つのカタストロフィー(?)―モラヴィアが見たファシズムの崩壊とアントニオーニが見た「奇跡の経済成長」
“廃品”からの創造―S.ロディアのワッツ・タワーとブラック・ロスアンジェルス
カタストロフィーを越えて立つ武術家の表象―天安門事件後の徐克と映画『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ』シリーズ
三・一一後の記録・物語―小森はるか+瀬尾夏美インタビュー

著者等紹介

熊谷謙介[クマガイケンスケ]
神奈川大学外国語学部准教授。専攻はフランス文学・文化、表象文化論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。