内容説明
国家によって整序された衣服の制度は、その展開される場の存在を前提としている―。衣服が着用される儀礼の空間としての都と地方が、連続した人工的空間としての道路で結ばれていること、その道路の国家と公民における意味、そこでの衣服の機能などを考察の対象とした諸論考を冒頭に配し、古代の中国や朝鮮半島の衣服を継受しながら形成されてきた日本列島の衣服制を見通す。
目次
第1部 古代国家と交通(古代における道と国家;古代における都と村;二つのチカシマに関する覚え書き―古代の国際的交通をめぐって ほか)
第2部 民族標識・異性装(「魏志」倭人伝の衣服について―「横幅」衣・「貫頭」衣の位相;『一遍聖絵』に見る時衆の衣服―阿弥衣と袈裟;笠の山―境界をめぐる一試論 ほか)
第3部 王権と衣装(大化の冠位制について―吉士長丹像との関連で;王権と衣服;古代天皇の冠と衣服―中国衣服制の継受をめぐって ほか)
著者等紹介
武田佐知子[タケダサチコ]
1948年10月2日、東京生まれ。1971年3月早稲田大学第一文学部卒業。1977年3月早稲田大学大学院文学研究科史学専攻修士課程修了。1985年3月東京都立大学大学院人文科学研究科史学専攻博士課程修了、同文学博士。1997年1月大阪外国語大学教授。2007年10月大阪大学理事・副学長。2009年10月大阪大学文学研究科教授。専門分野、日本史学、服装史、女性史。1985年サントリー学芸賞思想歴史部門。1995年濱田青陵賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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