内容説明
昭和を駆け抜けたモダニズム詩集。きらびやかな昭和前衛詩群のなかで北園克衛が萌芽する。「図形説」全11篇を収録。
目次
丸ビル
夜のメカニスト
五月の感覚
53のワルツ
記号学派
記号説
図形説
人形とピストルと風船
薔薇の3時
口笛〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
スミス市松
11
この戦前に書かれた詩の選集ではときにハイブラウだったり、ときにシュルレアリスティックな表現にコミットしていたり、ときにきわめて抒情的だったりするものの、「詩は美しく均斉のとれたレリイフだ」「僕の詩はペリカンの如きものでありたい」といった言葉からは後年の“造形物としての詩”につながる確かな心性を感じる。2017/01/03
rinakko
4
お気に入りでぱらぱらと読んでいたのを、風邪をひいた無聊の慰めにまとめて。2015/06/10
ami
2
グッと来た2018/06/08
うさぎや
2
割れ砕けた硝子の破片に映るたくさんの光景。ただしそれはすべて違うもの。そして再び元には戻りえないもの。2014/07/06
桜井夕也
1
タイトルだけでわくわくする。どこか稲垣足穂を彷彿とさせる。「軽金属の頸とその眼球の紫のガス」「硝子の夜の少年の散歩」「透明な少年の透明な少年の影」「フラスコの中の少年の死」「金髪の影 そして白い円のプログラム」「軽金属の指と唇をひらいた純真な天使の羽毛の頸 そして極限の中の光沢のある球体の化粧」「天体の雪に光つた光輪の中の天使の瞳 あるひは真珠の頬」「星の眼鏡をかけた天使の読書 あるひは真珠の草花など?」2014/06/15