内容説明
育ててくれた人たち、記憶に残る言葉。いまの空気に抗う17人の子どもな日々。
目次
子どもは、おとなのありのままの姿から学ぶもの(香山リカ)
小さくても責任のある仕事を持つ(池内了)
おとなだって、子どもの友だちになれる(長野ヒデ子)
平均的でない子にも、居場所をつくって(鈴木宣弘)
愛情を注いでくれるおとなは多いほどいい(池田香代子)
子どもは、親のものではないのだから(ピーター・バラカン)
何か起きたときに守ってくれるおとなが大事(津田大介)
ああ面白かったという人生を(上野千鶴子)
創造することの楽しさを知って(有原誠治)
一番うれしいのは、まわりの人からの愛情(大石芳野)
親がほめられると、子どもはうれしい(宇都宮健児)
平和な時間を過ごせるのは、戦争がないおかげ(糸数慶子)
居心地の悪さやモヤモヤを残す(中野晃一)
独創性のある子がのびのびできる環境を(永井愛)
しつけや教育の場でないところで認めてあげて(さいきまこ)
親が介入しても、うまくいくかは紙一重(金子勝)
おとなが育てるのではなく、子ども自身が育つ(落合恵子)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
モリー
64
「親の顔が見てみたい」と言いますが、悪さをする人の親がどんな子育てをしてきたか知りたいと思うのは私だけではないでしょう。逆に、世の中で活躍している人物がどのような子供時代を過ごし、どのような親に育てられたかも同じくらい気になるのではないでしょうか。この本はそのような好奇心を満たしてくれます。しかも、語り手はどなたも「世の中の理不尽に対し「おかしい」と言えるおとなたち」です。これが読まずにいられましょうか。子供がよく育つ条件についてい考えさせられました。私が拾ったキーワードは「自己肯定感」「愛情」「信頼」。2019/12/30
とよぽん
29
子ども時代にどんな大人と接するか、家族とどのような関りを感じて過ごしたか、人の一生を方向付ける大切な時期だと思う。どんな子どもも、存在を認められ見守られ尊重されてこそ、自分や周りの人を大切にできるのだから。17人の方々それぞれに味わい深い文章だった。2020/01/23
ぐっち
29
人選が偏ってる気もするが、「今の空気に抗う」17人の子どもの頃の思い出話。何冊か本を読んだことがある方のも、こういう話は初めて聞いた。親や祖父母、先生など、子どもの頃に出会った人が自分の自信を高めてくれたという話が多い。私は自分の親をこんな風に語れるだろうか、そして、息子は私をどう語るだろう?ピーター・バラカンさんのラジオ番組を自分が高校生の頃によく聞いていたので、ラジオの話はうれしかった。それぞれの人が子供の姿になっているイラストも可愛かった。2019/11/03
バニラ風味
20
17人の大人が語ります。自分は小さい頃、どんな風に暮らしていたか、どんな子どもだったかなど。自分の体験から、子育てのアドバイスやヒントをくれることも。「子どもは親のものではない」「自分の子育て中にそういう間違いがあったかも知れないけれど、親はつい、価値観を子どもに強制しがち」という言葉が、印象深かったです。長野ヒデ子さん、落合恵子さんは、ご本人のお話を聞いたことがあるので、なるほど、と思いました。2019/10/17
ひめぴょん
6
年齢・経歴・職業も様々な17人のおとなたちが彼らの子どもの時を振り返りながら思うことを書き綴った文章集。子どもの頃の家庭環境や時代背景といったことがその人を形成するのに大きく影響していることを感じさせる内容でもあります。子どもを上から目線から見ていたという反省。子どもの友だちが、おとなでもいい。本など読まなくても、自然がたくさんあれば豊かな心は育つ。平均的でない、ちょっとおかしな子にも能力を発揮できる場所を見つけてあげるのが教育。子育ては親だけではできない。周りの人に助けてと言ったり、迷惑をかけていい。 2020/09/23