内容説明
ひきこもる若者たちが、ひきこもりながらも安心して育つことを保障する社会的支援のあり方について考える。
目次
第1章 発達課題と向きあう若者たちと支援の哲学
第2章 社会の変化とひきこもり―競争と孤立化のなかで育った若者たち
第3章 発達危機としてのひきこもり
第4章 ひきこもり支援と解き放ちのソーシャルワーク
第5章 地域で育つ若者たち―地域生活を支える社会的支援の構想
第6章 居場所実践の課題―ひきこもりとの対峙と自己の解き放ち
著者等紹介
山本耕平[ヤマモトコウヘイ]
1979年、日本福祉大学大学院修士課程卒業。1987年、和歌山市入職。2003年、大阪体育大学入職。2007年より立命館大学産業社会学部教授。現在、麦の郷障害者地域リハビリテーション研究所事務局長、全国社会的ひきこもり支援者連絡会議事務局長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ゆう。
22
若者たちのひきこもりが持つ意味とはなんだろうかと深く考えることができました。ひきこもりに関わるソーシャルワーカーの役割は、ただ何もせず待つことでもなく、強制的に介入することでもなく、対処療法的に介入することでもありません。著者は「解き放ちのソーシャルワーク」と表現していますが、ひきこもりつつも育ちあう集団形成を社会的に構築し、本人たちと共に在る存在としての福祉援助者の姿があるのではないかと思いました。自己責任に落とし込むのではなく、育ち・発達を福祉的視点で保障していく役割があるのだと思いました。2016/12/13