出版社内容情報
「粒子であると同時に波である」???それって、結局どういうこと?量子論の具体的なイメージが描けずくじけがちな初学者へ向け、リアルなモデルを使ってていねいに解説する今度こそわかりたいあなたのための量子論入門。
内容説明
「粒子であると同時に波である」???それって、結局どういうこと?量子論の具体的なイメージが描けずくじけがちな初学者へ向け、リアルなモデルを使ってていねいに解説する。今度こそわかりたいあなたのための量子論入門。
目次
第1章 量子論とはいかなる理論なのか
第2章 波と量子
第3章 相補性の落とし穴
第4章 場の量子論と実在
第5章 誤差・揺らぎ・不確定性
第6章 混乱する解釈
第7章 相関か相互作用か
第8章 量子論の本質
著者等紹介
吉田伸夫[ヨシダノブオ]
1956年、三重県生まれ。東京大学理学部物理学科卒業、同大学院博士課程修了。理学博士。専攻は素粒子論(量子色力学)。科学哲学や科学史をはじめ幅広い分野で研究を行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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くれは
6
内容の半分も理解できたか怪しいですが、本書の論旨はこんなところ。粒子の量子論(行列力学)は、直接観測することが不可能である「ミクロな変動過程」を記述することを諦めた。というか、科学的に不適切であると考えた。それは、先入観をもって自然を記述してはならないという「禁欲的な科学的態度」によるもので、それ自体は問題ではない。しかしその態度がいつのまにか「変動過程は原理的に記述できない」という「原理」にすり替わってしまった。(コメントに続く) 2017/07/12
mstr_kk
5
同じ著者の『光の場、電子の海』および『量子で読み解く生命・宇宙・時間』と重なるテーマの本ですが、この本が一番難しかったかもしれません。ほかの2冊と比べて読むことで、より明確になった部分と、「こんなに難しい話だったのか……」と呆然とした部分があります。2022/06/20
ひみあ
3
いまいち理解できてない気はするが、「波であり粒子である」というのは混乱を招く表現なのだという主張はわかりやすかった。ただ、量子論は著者も話してる通り発展途中らしいから鵜呑みにしないようにしたい。2018/01/03
Steppenwolf
3
F最初に応用に携わる研究者は,いわゆる観測の問題などに煩わされない云々と書かれていて一寸その先を期待した。しかしやはり純粋な理学研究者の興味あるような話題に徹していた。言い換えると電子バンド計算とか化学反応の計算などは本一冊書くことがないとも言える。結局本書を著者は誰に読んでもらいたかったのだろう。少なくとも現在量子力学などを勉強している学生に読ませるとますます混乱するように思う。2017/08/28
しお
2
言ってることは分かるのに、何が言いたいのか分からない。著者がどの立場で論じているのかが自分には掴めなかった。とはいえ物理の基本すらろくに知らないのに、話題のひとつひとつが(ある程度は)理解できたのだからこれはすごいことだと思う。イメージと式の両方での解説がありがたかった。理論と解釈がいくつもあってみんなが納得する説はまだできていないってのはなんだか夢がある。2018/07/04