出版社内容情報
国際原子力ムラ=核兵器と原発を推進する利益共同体。原子力ムラ形成の歴史的経過や政治的文脈を明らかにし、その実像を暴く。国際原子力ムラ=核兵器と原発を推進する利益共同体。
IAEAやICRPといった国際機関が、放射能の影響を小さく見せ、自らに不都合な事実を隠蔽している。
日本には「国際」が付くと信用する傾向があるが、福島第一原発事故を経験した後でさえも『ICRPの基準』というだけで、放射能の影響が過小評価されても疑問に感じないという事態が起きている。
本書では、国際原子力ムラ形成の歴史的経過や政治的文脈を明らかにし、その実像を暴く。
まえがき/中須賀徳行
第1章 冷戦下における放射線人体影響の研究
──マンハッタン計画・米原子力委員会・ABCC/高橋博子
第2章 国際原子力ムラ
──その成立の歴史と放射線防護の実態/イヴ・ルノワール、藤本智子訳
第3章 チェルノブイリの犯罪
──フクシマにとっての一つのモデル/ウラディミール・チェルトコフ、コリン・コバヤシ訳
第4章 チェルノブイリの健康被害
──ニューヨーク科学アカデミーが核関連組織の 似非科学に対する解毒剤を出版/アリソン・ロザモンド・カッツ、牟田おりえ訳
第5章 がんリスクは10ミリシーベルトでも有意に増加/松崎道幸
日本科学者会議[ニホンカガクシャカイギ]
編集
内容説明
なぜ、これほど原子力に拘るのか?!その解は、政・官・財・学者の共同体―国際原子力ムラの形成の歴史と実態分析から明らかになる。
目次
第1章 アメリカの核開発と放射線人体影響研究―マンハッタン計画・アメリカ原子力委員会・ABCC(残留放射線を否定したアメリカ政府;ABCCの発足 ほか)
第2章 国際原子力ムラ―その成立の歴史と放射線防護の実態(放射線を取り扱う者は病に冒され、放射線防護組織をつくる;危機の教訓とその限界―希望というイデオロギーと歴史の重み ほか)
第3章 チェルノブイリの犯罪―フクシマにとっての一つのモデル(チェルノブイリでの犯罪的行為;バンダジェフスキー教授の医学的研究 ほか)
第4章 チェルノブイリの健康被害―ニューヨーク科学アカデミーが核関連組織のえせ科学に対する解毒剤を出版(はじめての解毒剤ではないが、社会的に高く「評価される」解毒剤;原子力は民主主義と独立系科学とは相容れない ほか)
第5章 がんリスクは10ミリシーベルトでも有意に増加(チェルノブイリ―原爆被ばく者データよりもはるかにがん死リスクが大きい;チェルノブイリ事故後のがんの発生率は、原爆データの数倍だった―Malko博士の研究 ほか)