出版社内容情報
台湾の軍事戦略や中国の空域統制・対台湾政策などから、中国・台湾の安全保障の専門研究者が東アジア安全保障のシナリオを展望する。
台湾を中心とした安全保障環境の今後を探る。
地政学的に重要な位置を占める台湾をめぐり、
アメリカ、中国、日本の外交と軍事バランスはどう変化するのか。
台湾海峡危機は遠ざかったのか? それとも起こり得るのか?
台湾の軍事戦略や中国の空域統制・対台湾政策、台米関係などから、
中国・台湾の安全保障に関する専門研究者たちが、
日本を含む東アジア安全保障の今後のシナリオを展望する。
<b>序章 台湾をめぐる安全保障を考えるということ</b>
―― 本書の問題意識と研究について(安田 淳)
1. 中台関係のこれからと日本
2. 本書の構成
3. 台湾をめぐる安全保障研究の意義
<b>第1章 台湾をめぐる国際政治のダイナミズム</b>(浅野 亮)
はじめに ―― 視点と枠組み
1. 中国の役割変化
2. 変化の内的要因 ―― 人口問題
3. 中国をめぐる国際環境の変化
4. 日米同盟の変容
5. 中国による台湾攻撃の可能性
6. 中間的結論 ―― 台湾をめぐる戦略環境の変容と総合的な対応
おわりに ―― 理論研究の応用の重要性
<b>第2章 台湾政治と軍事戦略の関係</b>(門間理良)
はじめに
1. ?経国政権期
2. 李登輝政権期
3. 陳水扁政権期
4. 馬英九政権期
5. 将来の台湾軍の変化
<b>第3章 台湾の軍事戦略</b>(門間理良)
はじめに
1. 台湾の戦略環境認識
2. 台湾の国家戦略
3. 台湾の国防政策と国防戦略
4. 台湾の軍事戦略
5. 軍事戦略任務と台湾軍の能力
6. 将来の台湾軍の防衛作戦
おわりに
<b>第4章 台湾とアメリカの「現状維持」をめぐる相克</b>(阿部純一)
はじめに ―― 台米関係と台湾の「現状維持」シナリオ
1. 台湾の将来予測と「現状維持」
2. 台湾における「現状維持」のジレンマ
3. 米中「新型大国関係」と台湾の「現状維持」
4. 「台湾放棄論」の出現と今後の見通し
5. 中国の軍事的台頭抑止のための台湾の「現状維持」
6. 台湾の政権交代と中国の軍事パレード
7. 台湾の「武力解放」を諦めない中国
8. 米軍の介入を回避できない中国
9. 蔡英文支持に舵を切ったアメリカ
結びにかえて ―― 米中の戦略問題となりうる台湾の帰趨
<b>第5章 中国の対台湾政策</b>(門間理良)
はじめに
1. 1978年末までの中台関係
2. 「平和統一、一国二制度」に転換した時期(1979年~現在)
3. 台湾解放の軍事力を整える中国人民解放軍
おわりに
<b>第6章 中国の空域統制と再編成</b>
―― 台湾にとっての新たな非伝統的安全保障の脅威(安田 淳)
はじめに
1. 中国の「防空識別区」設定と空の安全保障
2. 中国のADIZが意味するところ
3. 中国による南シナ海の空域再編成
4. 公海上に設定された中国の制限空域
5. 中国の航空管制近代化
6. 台湾海峡に設定された中国の新航空路
おわりに ―― 台湾に及ぶ中国の空域統制
<b>第7章 安全保障から見た2030年の日台関係</b>(村井友秀)
1. 「偉大な中華民族の復興」
2. 日本の安全保障における台湾の位置
3. 日本の戦略
あとがき
索 引
【著者紹介】
安田 淳
慶應義塾大学法学部教授。1960年生まれ。慶應義塾大学大学院法学研究科博士課程単位取得退学。主要業績: 『中国の統治能力―政治・経済・外交の相互連関分析』(共著、慶應義塾大学出版会、2006年)、 『中国をめぐる安全保障』(共編著、ミネルヴァ書房、2007年)、ほか。
内容説明
台湾をめぐる安全保障環境はどう動くのか?地政学的に重要な位置を占める台湾の外交・軍事戦略や中国の空域統制・対台湾政策、台米関係などから、日本を含む東アジア安全保障の今後のシナリオを展望する。
目次
序章 台湾をめぐる安全保障を考えるということ―本書の問題意識と研究について
第1章 台湾をめぐる国際政治のダイナミズム
第2章 台湾政治と軍事戦略の関係
第3章 台湾の軍事戦略
第4章 台湾とアメリカの「現状維持」をめぐる相克
第5章 中国の対台湾政策
第6章 中国の空域統制と再編成―台湾にとっての新たな非伝統的安全保障の脅威
第7章 安全保障から見た2030年の日台関係