内容説明
西洋音楽史研究の一学派、ニュー・ミュージコロジー、1980年代半ばから英米の音楽研究者に実践されてきた。ポスト構造主義、記号論、ポスト・コロニアル批評、フェミニスト批評、ジェンダー論など幅広い領域にクロスオーヴァーするその全容を、世界的権威の主要論文の翻訳と訳者の詳細な解説で紹介する本格的入門書。
目次
第1部 ニュー・ミュージコロジーの「夜明け」(歴史、カノン、実証主義)
第2部 作品、テクスト、歴史(過去との軋轢;作品概念;オーセンティシティー)
第3部 音楽とジェンダー批評(フェミニズム批評;クイア・ミュージコロジー;ジェンダー;身体、声)
第4部 音楽、言語、意味作用(音楽記号論;音楽の意味作用;音楽の歴史性)
著者等紹介
カーマン,ジョゼフ[カーマン,ジョゼフ] [Kerman,Joseph]
1924‐。カリフォルニア大学バークレー校名誉教授(音楽学)。プリストン大学でオリヴァー・ストランク、ランダル・トンプスン、カール・ワインリヒの指導の下、音楽学の博士号を取得。専門はルネサンス期のイギリス音楽およびベートーヴェンの室内楽曲
タラスキン,リチャード[タラスキン,リチャード] [Taruskin,Richard]
1945‐。カリフォルニア大学バークレー校名誉教授(音楽学)。19世紀ロシア・オペラに関する論文でコロンビア大学にて博士号取得後、同校での教職に続き、1987年より現職。ロシア音楽から15世紀のシャンソンまで幅広い研究を発表している
ナティエ,ジャン=ジャック[ナティエ,ジャンジャック] [Nattiez,Jean‐Jacques]
1945‐。モントリオール大学音楽学部教授(音楽学・音楽理論)。ソルボンヌ大学でニコラ・リュヴェの指導の下、音楽記号学で博士号を取得。1972年より現職。ワーグナーからブーレーズ、アイヌ音楽まで守備範囲は広い
福中冬子[フクナカフユコ]
東京芸術大学大学院音楽研究科(音楽学)准教授。国立音楽大学音楽学部器楽科卒業。ニューヨーク大学人文大学院音楽学部修士課程および博士課程修了(Ph.D.)。ニューヨーク大学、慶應義塾大学、明治学院大学非常勤講師等を経て、現職。専門は西洋音楽史(近現代)、音楽美学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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