内容説明
「源氏物語絵巻」の絵と詞書をすべてカラー掲載し、初めて詞書全文に口語訳を付けた画期的な手引き書。従来の入門書で見られた、源氏物語の内容と安易に結び付けて説明される鑑賞方法とは違い、詞書を丁寧に読み解き、絵の画面とつきあわせることで、絵巻本来の楽しみ方をわかりやすく解説する。コラムには、源氏物語や源氏絵にまつわる多彩な話題を掲載。
目次
鑑賞編(蓬生;関屋;絵合;柏木;横笛;鈴虫;夕霧)
論考編(平安時代の物語絵;絵巻の人物描写;復元模写の問題点;橋姫巻の箏と琵琶)
著者等紹介
清水婦久子[シミズフクコ]
1954年生まれ。大阪女子大学大学院修士課程修了。博士(文学・大阪大学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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maekoo
6
和歌や古歌に造詣深く、源氏物語と絵画の関係をライフワークとされた清水婦久子教授の、12巻19面の絵と63紙の詞書(絵合は詞書のみ)が現存する国宝源氏物語絵巻を読み解く決定版的読解入門書です。 敢えて図番掲載は複写である木版本源氏物語絵巻を使用していますが、絵の具がはがれている剥落部分も原本再現されていて色や線も理解し易くなっており、そのうえで国宝原本を鑑賞する手助けとなります。 (絵と詞書は美しいカラー印刷です) 続く⇒②2022/02/01
katashin86
1
現存するものだけで全部、というわけではないのだろうけど、「絵巻」は長大な源氏物語本編とはまた違う、それひとつで完成した芸術作品である、ということがよくわかった。2015/02/09