叢書コムニス
自然淘汰論から中立進化論へ―進化学のパラダイム転換

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 228,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784757160453
  • NDC分類 467.5
  • Cコード C0045

内容説明

ダーウィンの進化論は間違っていた!?多数の生物のゲノムがつぎつぎと明らかになった現在、進化の根本は、ダーウィンのいう自然淘汰進化ではなく、中立進化であることが確立した。このパラダイム転換は、生物学にとどまらず、私たちの生命観、世界観にも影響を与えはじめている。最先端の生物進化研究が、新たな世界観を打ち立てる。

目次

第1章 歴誌学としての自然科学
第2章 ラマルク進化論出現にいたるまでの進化思想
第3章 ダーウィンの進化論研究
第4章 集団遺伝学理論の確立と進化の新総合説の台頭
第5章 進化学への分子生物学革命の影響
第6章 中立進化論を提唱した二論文
第7章 自然淘汰論から中立進化論へのパラダイム転換
第8章 二一世紀における中立進化論
第9章 現代進化学の思想的意義
付録 遺伝子進化学の基礎知識

著者等紹介

斎藤成也[サイトウナルヤ]
1957年、福井県にて生まれる。1979年、東京大学理学部生物学科卒業。1986年、テキサス大学ヒューストン校大学院修了。東京大学理学部人類学教室助手、国立遺伝学研究所進化遺伝研究部門助教授を経て、2002年より国立遺伝学研究所集団遺伝研究部門教授。総合研究大学院大学生命科学研究科遺伝学専攻教授、東京大学大学院理学系研究科生物化学専攻教授を兼任。日本学術会議会員。ゲノム進化、人類進化を研究している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

うえ

8
「ダーウィンは『種の起源』の中ではキリスト教会などからの反対を恐れて人類の起源についてはほとんど触れなかった。しかし生物進化の考え方が浸透した後に、『人間の由来』を出版して、人類進化を論じた。…ラマルクやダーウィンが進化論を提唱し、生物進化が事実であると確立した19世紀以降は、進化の問題は宗教の影響から解き放たれたかのように見える。とはいえ、人間を他の生物から特別扱いしたいという気持ちは依然残っている…それがもっとも強烈に表れているのは、心身二元論である。」人間と他の生物に線引きできる最後の旧き依り代か。2021/04/02

メルセ・ひすい

1
13-13 赤12-35 絵も半端ジャない。表紙カバーも原画は著者。点描画はヤバイ・・ 木村博士の「塩基置換によってひきおこされた突然変異の大部分は、淘汰を受けない中立なもの」・・・ 有限な個体数に基づいて遺伝的浮動の重要性を否定することは、私見では、●深い谷の形成を説明する場合、ゆっくり長く続く水による浸食作用では不十分であるとして、一度の巨大な洪水を仮定するのに似ている。「斉一説」・名文 ん・最先端の生物進化研究が、新たな世界観を打ち立てる。一世代が人は30年・ニホンザルは5年・マジすか!?2010/02/24

Kumo

0
自然淘汰から中立進化論へのパラダイムシフト、特に中立進化論の考え方について概説した本。ページが進むにつれて面白くなってくるが、ダーウィン登場辺りまでの記述は知識を羅列しただけの印象が強く、歴史のおさらいには向いているがあまり文章がこなれていない気がした。後半は氏の思想の中心たる中立進化論の独擅場で、ヒトの言語や意識の起源を自然選択ではなく中立進化によって思考実験している件など、ほんまかいな、と思いつつも昂奮を覚える内容だった。論理で説明できる必然性、できない偶然性。どこか古典力学と量子論の対比に似ている。2014/06/23

わふらし

0
古典的集団遺伝学が個体数を無限に仮定していたために、中立進化を見逃すというのはおもしろい2011/07/06

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/419364
  • ご注意事項

最近チェックした商品