内容説明
三代にわたる独裁はいかにつくりあげられ、どこに向かうのか。北朝鮮の体制の本質を「首領制」に見、その構造・神話・論理を解明する。
目次
序章 首領制の仮説
第1章 体制の起源と革命の課題
第2章 首領制の権力構造
第3章 金正日指導体制の形成
第4章 首領制の「国体論」
第5章 体制神話―星・太陽・白頭山、血脈・地脈・精気
第6章 選択的「開放」と部分的「改革」
終章 首領制の構造と論理
補章 金正日と金正恩
著者等紹介
鐸木昌之[スズキマサユキ]
1951年神奈川県生まれ。慶應義塾大学大学院法学研究科博士課程修了。博士(法学)。延世大学校社会科学大学院研究員。聖学院大学専任講師。中国駐在日本大使館専門調査員。2000年から尚美学園大学総合政策学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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nnpusnsn1945
41
北朝鮮の「首領制」は、中ソ対立や内部抗争を背景として、1967年に金日成に対する個人崇拝から始まった。70年には「偉大なる首領」 と金日成は呼ばれるようになり、革命の歴史も書き換えられた。金正日体制からは、特殊部隊(拉致で有名な工作員)と核兵器を中心とした先軍政治が始まり、食糧難や社会主義経済の崩壊が発生した。金正恩期では張成澤粛清 といった恐怖政治の特徴がみられる。2021/11/06
AKI
1
北朝鮮政治体制研究の古典。初学者にはなかなか難しい。北朝鮮政治体制は「首領制」であり、首領を代を継いでいくことが北朝鮮政治体制の目的とするという立場。