エリア・スタディーズ<br> ベルギーを知るための52章

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ベルギーを知るための52章

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  • サイズ B6判/ページ数 404p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784750329246
  • NDC分類 302.358
  • Cコード C0336

出版社内容情報

中世以降、1000年近くにわたりヨーロッパの中心であり十字路でもあった現在のベルギー地域。本書はラテンとゲルマンが同居するベルギーの特徴を中心テーマに据え、歴史、地理、国際関係、言語、生活、文化などからこの国の魅力を浮き彫りにする。

 まえがき

I ベルギーという小国はおもしろい

 第1章 ベルギーという国――統一と分裂の間で
 第2章 ラテン・ゲルマン越境紀行――スイスからルクセンブルク、ベルギーへの旅
 第3章 なぜベルギーから世界がくっきりと見えるのか――境界線だからこその歴史的視点

II 最盛期は建国前という不思議な国――歴史・1

 第4章 ローマ時代から中世までのベルギー――周辺から中心へ?
 第5章 フランドルとブルゴーニュ、その夢と幻――フランドルの栄光の夢と現実
 第6章 いわゆる英仏百年戦争とベルギー――英仏戦争ではなく仏仏戦争
 第7章 イングランド・ブルゴーニュ連合の行方――ベルギーとジャンヌ・ダルクの関係
 第8章 十字軍にも深く関わったベルギー――エルサレム国王ゴッドフロワの物語
 第9章 世界を変えた偉人たちの群像――栄華の中世からカール五世の時代へ
  【コラム1】プチ・サブロンにて

III ヨーロッパのミニチュア国家誕生――歴史・2

 第10章 近世以降の歴史の流転は続く――フェリペ二世の時代からのベルギーは
 第11章 ベルギー建国とその後――与えられた独立? 勝ち取られた独立?
 第12章 戦争と国王の物語――守るべきは国土? 国民?
 第13章 言語戦争に明け暮れる国――「フランス語は客間で、フラマン語は台所で」?
  【コラム2】言語戦争、争いのあと
 第14章 急展開する地域分権化――再びベルギー現代史

IV 偉人たちから見たベルギー

 第15章 ヨーロッパ統合の源流――シャルルマーニュの帝国
  【コラム3】リエージュのチャンチェとロランの歌
 第16章 太陽の沈まない帝国の支配者――世界を支配したカール五世の憂鬱
 第17章 小国ベルギーの意外な偉人たち・1――タイの独立を守ったお雇い外国人
 第18章 小国ベルギーの意外な偉人たち・2――ミスター・ヨーロッパと呼ばれたベルギー人
  【コラム4】Eureka! ベルギー発!

V ベルギーと言語問題

 第19章 ベルギーからはヨーロッパの言語史がよく見える――ケルト、ラテン、ゲルマンが交錯する国
 第20章 おもしろいベルギーのフランス語?――標準フランス語のベルギー方言?
 第21章 ワロン地区の言語事情――フランス語=ワロン語?
 第22章 ベルギーのオランダ語、オランダのオランダ語・1――「ダッチ」は本当に「オランダ語」?
 第23章 ベルギーのオランダ語、オランダのオランダ語・2――両国のオランダ語の違い
  【コラム5】フランデレン人の英語志向は本物?
 第24章 日本でベルギーを広報しようとすれば――ベルギーにまつわる疑問あれこれ
  【コラム6】それぞれのベスト・テン

VI ベルギーの芸術

 第25章 ベルギー美術の多彩さ――ブリューゲルの先見性と土着性
 第26章 ブリューゲルからルーベンスへ――フランドル絵画の黄金期
 第27章 ベルギー文学事情――二つの言語を有する国の文学とは?
  【コラム7】青い鳥
 第28章 現代風『フランダースの犬』――『フランダースの犬』とその舞台

VII ベルギーの美味しい話

 第29章 グルメ大国ベルギーの姿――フランスをしのぐ(?)グルメ大国
 第30章 ビールとフリッツ――ベルギーで世界一美味しいものとは
  【コラム8】オルヴァル修道院の泉
 第31章 甘くて美味しい世界一は?――ベルギー・チョコレートの甘い話
  【コラム9】クリスマスよりも聖ニコラ祭

VIII ベルギーのアフリカ・コネクション

 第32章 国王の私有地の名は「コンゴ自由国」――ベルギー アフリカが一番よく見える国
 第33章 センギエールと原爆の話――ベルギーと広島を結びつけるもの
 第34章 コンゴ動乱とルワンダ大虐殺――アフリカ植民地の呪縛

IX 小さなヨーロッパの首都

 第35章 ブリュッセル! その真実――人口一〇〇万、小さな世界一の国際都市?
  【コラム10】恋人たちのブリュッセル事件 ヴェルレーヌとランボー
 第36章 ブリュッセル――EUの首都、そしてそのシンボルはベルレモン
 第37章 EUのなかの言語事情――バベルの塔は通訳たちのメッカ
 第38章 ブリュッセル人たちの肖像――ジャック・ブレルに見るフラマン性
  【コラム11】小便小僧、あれこれ

X 町の物語

 第39章 オーステンド――イギリスという触媒が生んだ不思議な画家アンソール
 第40章 ワーテルロー――ナポレオンに立ちはだかるゲルマンの壁
 第41章 ブリュッヘ――繁栄する「北のベネチア」
 第42章 世界遺産ベギナージュ(ベギンの館)――十字軍の熱狂の裏側で
 第43章 ルーヴェン――現存する世界最古のカトリック大学の町
 第44章 ブイヨン――聖地エルサレムとベルギーを結ぶ十字軍という絆
  【コラム12】物語「ゴッドフロワ・ド・ブイヨン」
 第45章 メッヘレン――魅力たっぷりの古都
 第46章 ドイツ国境を旅する――ベルギーのドイツ語圏の不思議
 第47章 リエージュ――かつての司教都市は今
 第48章 イーペル――ベルギーの広島
 第49章 ヘント――現代に生きる中世都市
 第50章 バールレ――不思議な不思議なベルギー国境の話
 第51章 アントウェルペン――古くて新しい一六世紀の世界の商都
  【コラム13】ゲール 精神医療の町
 第52章 トゥールネとディースト――ベルギーこそフランス、ベルギーこそオランダ!?

 あとがき
 ベルギーを知るためのブックガイド

まえがき(一部抜粋)

(…前略…)

 私たちは知らず知らずのうちに、今のフランスとかドイツとかの民族国家の存在という前提から出発して(逆算して)、物事を理解しようとしていて、その分、そこからはみ出した部分については、基本的に理解が及びにくい状況を、自分から作り出してはいないだろうか。そのジレンマから脱するには、「現在」を前提に考えることを止めることである。本当の「昔」は、歴史として意識的に体裁を変えられた「昔」とは違った可能性が大である。重要なことは一〇〇〇年、二〇〇〇年の歴史の流れのなかで、考えてみることである。
 ベルギーについて言えば、中世以降、一〇〇〇年近くにもわたってヨーロッパの中心であり、十字路であったがゆえに、繁栄もし、戦場にもなったのである。そしてそれがゆえに今は、現代世界において圧倒的に重要な地位を占めるEUやNATOが本拠を置く、統合ヨーロッパの中心になっているのである。そのように考えれば、フランスが栄華を誇り、英国が七つの海を支配した一八、一九世紀のことなど比較的最近の話であると超然と構えていることができる。つまりベルギーを理解すれば、ここ二、三〇〇年という短いサイクルでない、より長い歴史観に基づいた世界の見方ができるようになるというわけだ。
 前著『ベルギー――ヨーロッパが見える国』(新潮選書)で強調したことは、ベルギーを理解することにより、複雑なヨーロッパの理解が進むということだったが、そこからさらに一歩進んで、ベルギーという国は、ヨーロッパだけでなく、世界が見える国でもあることを示すことも、このたびの本書で試みてみたいと思う。

 かつてはベルギーについて観光ガイドブックさえさほど存在しなかった。一〇年以上前に筆者が上記拙著を世に問うた時は、初めての本格的なベルギーの解説書であると言われたものである。しかしその後、時代は移り、今は各種の本が存在するし(お菓子やビールの本さえ!!)、本書は旅行ガイドブックではないので、対象となる土地としては著名な観光地ではないところをあえて多く選んでいる。いやむしろ、有名な観光都市の、しかも観光的な要素については、他に多くの文献もあるだろうし、ここでは割愛し、あえて触れないようにしたつもりである。言い換えるなら、目に見える美しいものよりも、イメージとして脳裏に焼き付いたり、琴線に触れるテーマを多く取り上げようと試みた。
 本書の章構成の流れとしては、まず導入部としてベルギーという国の成り立ちや特徴について入門的な話を中心にまとめた。次に、その小国ベルギーがヨーロッパや世界において、意外にも大きな影響力を持っている側面や文化の深層に焦点を当てる。そして終わりの部分では、テーマ別にベルギーのいくつかの地域を訪ね、臨場感をもってベルギーの地誌を感じることができるようにした。

(…後略…)

目次

1 ベルギーという小国はおもしろい
2 最盛期は建国前という不思議な国―歴史1
3 ヨーロッパのミニチュア国家誕生―歴史2
4 偉人たちから見たベルギー
5 ベルギーと言語問題
6 ベルギーの芸術
7 ベルギーの美味しい話
8 ベルギーのアフリカ・コネクション
9 小さなヨーロッパの首都
10 町の物語

著者等紹介

小川秀樹[オガワヒデキ]
岡山大学教授(国際社会論・国際貢献論)・博士(国際経済法学)。1956年生まれ。早稲田大学政経学部政治学科卒業、ルーヴェン・カトリック大学(KUL)国際法研究所給費研究留学、横浜国立大学国際社会科学研究科博士後期課程修了。国連勤務(在バンコク)、外務省専門調査員(在イスラエル日本大使館)、山口県立大学助教授などを経て、2007年から現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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ripurou

2
二言語国家で、ビールとワッフルとチョコが有名という程度の知識で読んでみる。さすがEUのど真ん中で諸機関があり、なかなか複雑な歴史。歴史と芸術や政治いろいろな切り口で縦糸横糸紡ぎながら書かれていました。何せ歴史が複雑なので、年表みたり地図見たり、wikiってみたりしていかないと混乱。でも、初心者がベルギーを知るには良い本でした。2013/10/14

みー

1
ベルギーの最盛期は建国前。ベルギーは最も深く影響を受けてきたのはフランスであるが、常に英仏両国に気を配らなければならなかったこと、長い歴史を共有したベネルクスとはいっても、オランダとは全く別の国であるし、ルクセンブルグとは、通貨を共有するまでの親密さがあった。マーストリヒトは、オランダだが、地理的にも文化的にもベルギー的な雰囲気に溢れているし、ヨーロッパの大国の真ん中に位置するという宿命を背負っている。2023/10/16

min

1
周辺地域や初期の歴史などが詳しくかかれていてとてもわかりやすかったです。ベルギー内の諸地域についてもわかりやすい一冊。ヨーロッパの中央であるベルギーから世界が見える気がして来るかも?2009/04/03

KOBAYASHI Masahide

0
スパークでチャプターがあった。2015/12/22

どぅまち

0
ヨーロッパの十字路ともいわれるベルギーはやはり語るべきことが多い。ベルギー人の自虐ネタで「世界で最も薄い本はベルギーの歴史書」というそうだ。確かにベルギーという国の歴史は長くはないが、様々な人、文化、言語が織り成す社会、ヨーロッパ統合の象徴たるEUの本部がベルギーに置かれるのもよくわかる。2015/05/31

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