内容説明
文明開化のさなか、東京の噺家の頂点に立つ三遊亭円朝。彼はいかに立身出世を遂げたのか、その事跡と創作の根源に迫る。『真景累ケ淵』『怪談牡丹燈篭』など、円朝による江戸落語の名作を紹介し、ゆかりの地を訪ねる。
目次
名人・天才三遊亭円朝の風貌
1 円朝の履歴書(家系と家族;幕末の円朝;明治時代の円朝)
2 円朝の作品世界(「真景累ケ淵」;「怪談牡丹燈篭」;「塩原多助一代記」;「黄金餅」;「文七元結」)
3 円朝をあるく(ゆかりの地;「真景累ケ淵」;「怪談牡丹燈篭」;「塩原多助一代記」;「黄金餅」;「文七元結」;東京の寄席)
著者等紹介
須田努[スダツトム]
1959年群馬県に生まれる。1997年早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。現在、明治大学情報コミュニケーション学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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imagine
6
落語を聴き始めれば、人情噺や滑稽噺の他に、なにやら得体の知れない特殊なジャンルがあることに気づく。怪談、人殺し、愛憎劇…。それらの大半は三遊亭円朝による作。この書は、彼の生きた時代、複雑な生い立ち、代表作の背景などを解説。実際に舞台となった北関東各地や都内ゆかりの地も訪れ、写真とマップを掲載している。谷中の全生庵では毎年8月に円朝祭りを行い、幽霊画のコレクションを鑑賞できるとのことだったので、ガイド本として携行し、全生庵に足を運んでみた。2019/09/03
mitsuru1
4
うーん思っていたような本ではなく、在京の方が休日前に軽く目を通して、円朝ゆかりの地を散策する時に持ち歩くとよろしいのではという感じの本でした。2015/10/17
kaz
3
三遊亭圓朝のことが手軽にわかるコンパクトな本。略歴と代表作の案内とゆかりの地の紹介の3部構成になっています。略歴は、簡潔ながら、幕末から明治維新までの大きな出来事や社会の変化と並行して、圓朝の略歴がまとめられていてとてもわかり易く感じました。代表作のあらすじ紹介は、かなり込み入っていてややこしく、著者も書いるとおり、実際に噺を聞いた後の参考に読むのがいいのではと思います。ゆかりの地の紹介は、噺の中での登場人物が辿った経路図があれば、もっと楽しめたかなと思います。2015/04/13
0422
2
いい。円朝の入門。2015/04/17
azu3
1
黄金餅は志ん生しか聞いたことないが、あのルートを地図でたどってみたい。文七はずいぶんと遠くまで来てたのね。吾妻橋から日本橋までは、歩くとけっこうあるぞ。2020/07/11