歴史文化ライブラリー
戦乱の中の情報伝達―使者がつなぐ中世京都と在地

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  • サイズ B6判/ページ数 232p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784642057721
  • NDC分類 217.5
  • Cコード C0320

内容説明

応仁の乱前夜、備中国新見庄と東寺の間では頻繁に文書が行き交い、情報交換が行われた。その担い手である使者たちの活動を追いつつ、在地の人びとの思想と行動を分析。鄙と京をつなぐコミュニケーションの実態に迫る。

目次

新見庄の現地案内(二人の上使、新見庄へ;奇妙な形の花押;年貢高と古帳;最初に下っていった了蔵;ぶつかりあう徳政)
東寺による直務支配(強気な祐清、弱気な祐清;田所職をめぐる騒動;一代は末代;京上夫を立てる名;惣御百姓中と豊岡三郎の対立)
殺害された代官祐清(祐清殺害と自検断;地頭方政所屋差図;勢遣、野陣、弔い;敵打と上意;地頭方政所屋の再建問題)
応仁の乱から乱世へ(ジグソーパズルのピース;いなかは徳政で大騒動;連鎖していく物〓(そう)
国の境目は、東西両軍の最前線
日本国、乱世の時分
戦乱の中を生きぬく―エピローグ)

著者等紹介

酒井紀美[サカイキミ]
1947年、大阪府に生まれる。1976年、大阪市立大学大学院文学研究科博士課程単位修得退学。現在、茨城大学教育学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

とし

4
「東寺百合文書」から、応仁の乱前後の東寺とその荘園である備中国新見庄との文書のやり取りに焦点を当て、当時の京と田舎の情報伝達の仕組みや地下人の意識などを丹念に追った労作。なかなか面白かった。応仁の乱からいわゆる「戦国時代」が始まってる様子がよくわかる。2014/09/27

wang

1
昔から京都と地方の間では多くの文書は人が伝える必要がある。年貢の納入も納税者の仕事。室町時代に荘園とその領主の間でのやりとりをした一連の文書から当時の往還の様子や荘園支配の実態を語る。東寺から備中国新見荘の荘官や代官とのやりとりが大量に残っていて当時の出来事が詳細にわかる。入り組んだ荘園領と地頭領の対立。守護の介入。何かと理由をあげて年貢を減免してもらおうとする住民。犯罪には自ら対処し、外敵には武装して戦う。応仁の乱以後、物騒になり領主と領地の分断が進む。地方住民が中央の争いも把握しているのは面白い。2017/07/21

ATSU

1
“積ん読”になっていた本。先日,東寺百合文書が世界記憶遺産に登録されたことを機に読み直しました。歴史は丹念に古文書などを集め,読み,ジグソーパズルのようにぴったり合う場所に入れて組み立てるものです。新見庄という荘園を見ていく中で,一地方の歴史というだけでなく,日本の歴史の全体像が浮かび上がってくるように思いました。中世は“当知行”と本郷先生の講義で聴きましたが,新見庄においてもやはり当知行でした。その後どうなったの?と思ったところもありましたが,史料が残っていないところは,書きようがないのですね。2015/10/20

suzuki-takefumi

1
粘り強く交渉し、代官が殺されたら自力で報復に向かい、乱に対しても強硬に対応し、と強固な自立能力に驚いた。実際の手紙のやりとりを見ると、主体的に動く農民層のイメージが鮮烈に塗り替えられる。2014/12/03

TOYODA Eizi

1
室町期応仁乱くらいまで備中新見荘と東寺の間で交換された文書(百合文書の一部)。情報科学じゃないんだけど、関係を確立するところで3wayハンドシェイクらしきものがあるし、人間のやることは何か似てくる。RTTは約20日。パケット落ちが増えつつも通信的には一応gracefulに終わる。2014/08/20

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