内容説明
社会や経済のパフォーマンスを規定する制度は、時と場所に応じて工夫され、多様性を帯びる。それらのさまざまな経済制度を比較する道具を身につけ、現実の経済はどのように分析できるのか、応用の入口まで示す、新しい入門テキスト。
目次
第1部 比較制度分析とは何か―制度の経済学の考え方(制度とは何か―制度変化を考えるために;組織の経済学;制度の歴史分析)
第2部 制度分析の道具を身につける―経済学的基礎(ゲーム理論の基礎;契約の経済理論(1)情報とインセンティブ
契約の経済理論(2)不完備契約)
第3部 制度を分析する―比較制度分析の応用(垂直的な企業間関係―自動車産業における部品取引の分析;産業集積の組織―桐生織物業における織元と賃機の取引関係;現代の内部労働市場―雇用慣行とインセンティブ設計;多次元的な仕事と誘因の制御―20世紀初頭における近代製糸業の経験;コーポレートファイナンス―資金調達とガバナンス;金融システムの歴史分析―戦前日本の「関係融資」;政府間の財政制度―国と地方の補助金契約とインセンティブ問題;財政システムの歴史分析―明治憲法体制の光と影)
著者等紹介
中林真幸[ナカバヤシマサキ]
東京大学社会科学研究所准教授。1969年生まれ
石黒真吾[イシグロシンゴ]
大阪大学大学院経済学研究科教授。1969年生まれ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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かいのすけ
1
理論パートと制度分析パートがクリアに分けられており、また制度分析パートではその章で用いられる実証分析についてもある程度解説がなされているので(とはいえ基礎的な最小二乗法の知識ぐらいはあった方がよい)自己完結的な非常にまとまりの良い本。 効用関数等において一定の関数形を仮定した場合にはその根拠となる論文が挙げられているのもよい。 前述したパート分けのクリアさから、ウェブサポート『本書の使い方』で示されているように、第二部に時間をかけしっかりと理解してから第三部を読むようにするのがおすすめ。2019/02/02
ミッキー
0
ゲーム理論を活用して社会分析をするための入門として出色。2011/07/21
Nabe
0
授業 参考書2021/01/07