出版社内容情報
考古遺物資料の解析と文献史学研究の双方の成果を取り入れて鉄の技術史を構築する新しい試み。製鉄の開始時期について新見解も。
内容説明
考古学・文献史学・技術史の3分野からの成果を取り入れたわかり易い鉄の歴史。国内砂鉄製鉄の開始を近世初頭とする画期的新説を提示。これまでの先入観を払拭する。
目次
第1章 ヒッタイトから東アジアにいたる鉄の道
第2章 弥生時代の鉄
第3章 古墳時代における鉄器の生産増大と墳墓への大量副葬
第4章 律令体制下で進む鋼の大規模生産
第5章 古代東北の蝦夷の鉄と外反りの彎刀
第6章 中世の鋼生産と都市・集落・城館における鍛治活動
第7章 擦文・アイヌ文化期の鉄
第8章 国内砂鉄製鉄の開始はいつか
著者等紹介
佐々木稔[ササキミノル]
1933年生。元新日本製鉄先端技術研究所、神奈川大学大学院歴史民俗資料学研究科講師。金属工学専攻。工学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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おらひらお
2
2008年初版。タイトルからすると入門書的印象を受けますが、結構がちがちの専門書。金属工学的見解が多いですね。2021/05/02
あか
0
主として日本における製鉄の歴史を、考古学、文献史学、技術史の3分野からの成果を取り入れわかりやすく解説する、という帯の文章だが、前提として必要な知識をほとんどカバーできておらず、読むのに非常に時間を要した(例えば銑鉄と鋼、高炉と転炉の違いや鉄滓=スラグといった知識が前提として必要)。科学的な組成、例えば試料中の銅成分が0.1%以上の場合、日本国内の砂鉄成分の値を鑑みて同一とは言えず、したがって輸入鉄鉱石と判断される、などの分析法はとても興味深い。この分析により、中世の砂鉄製鉄に対する疑義を挟むことが骨子。2017/02/23
塩崎ツトム
0
日本産の鉄は火縄銃づくりには不向きで、専用の鉄をわざわざ福建から輸入していたことも、鎖国中もその輸入が続いていたことも初耳。その一方で平清盛は北宋官吏が使用するサーベルの加工貿易をしていたというのも興味深い。やはり先見の明がある人だったんだなあ。2012/07/04
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