内容説明
武士が尚ばれた時代、「八幡太郎」と呼ばれて親しまれ、神のように仰がれた源義家。彼と同時代を生きたある貴族は、その日記に、義家を「天下第一の武勇の士」「武威は天下に満ち、誠にこれ大将軍に足る者なり」と称讃する一方、「多く罪なき人を殺す…積悪の余、ついに子孫に及ぶか」とも記している。「文武兼備の稀代の名将」と「残虐を事とした暴力装置」という対照的な評価のあいだで揺れ動く源義家の実像に迫る。
目次
源義家のイメージと実像
1 父祖の功業
2 義家の登場
3 延久年間における陸奥の賊徒追討
4 河内源氏と鎌倉
5 後三年合戦
6 坂東との関係
7 白河院と河内源氏、その空間
8 義家の評価
著者等紹介
野口実[ノグチミノル]
1951年生まれ。青山学院大学大学院文学研究科史学専攻博士課程修了。文学博士。専攻は日本中世史。現在、京都女子大学宗教・文化研究所教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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