内容説明
多様な民族と文化をうちに孕んだハプスブルク帝国。起源を十世紀に遡るヨーロッパの大帝国は、近代国家へと脱皮する過程で、国家と民族のはざまに苦悩し、アウスグライヒ体制という民族協調のかたちを生みだした。その姿は、民族対立に揺れる現在の世界に、大きな示唆を与えてくれるであろう。帝国の終焉にいたる近代ハプスブルクの歴史を明晰に描く。
目次
ハプスブルク帝国
国家と民族のはざまで
近代国家への道
国法と民族と
アウスグライヒ体制
ターフェのオーストリア、ティサのハンガリー
大衆政党の時代
民族の比例代表制
第一次世界大戦と崩壊