内容説明
近代国家の誕生から150年。イタリア文化を知る必携の一冊。半島、地中海、ヴァチカン、ルネサンス、ファシズム、スローフード…複眼的な視点から多様な文化を立体的に描き出す。
目次
第1章 「複数」のイタリア―都市国家のいま
第2章 「単数」のイタリア―統一国家のゆくえ
第3章 日常を彩る文化
第4章 美から醜、醜から美へ
第5章 内なる「他者」と外からのまなざし
第6章 異端という天才
第7章 “イタリア人”をつくる
著者等紹介
和田忠彦[ワダタダヒコ]
現在、東京外国語大学大学院総合国際学研究院教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ぞしま
13
和田忠彦 編。購入したのは大分前だが、網羅するトピックが多岐に渡り、興味深く読めた。よく指摘されることではあるが、特に近代以降の歴史の歩みは日本と似ているように思う。 個人的にとても気になるのは、リソルジメント以降のイタリアの変遷、そしてファシズムと未来派の関係……要は近代史ということなのだと思うけど、未来派とその周辺はすごく気になる。 それが分かっただけでも本書を読んだ意義を感じる。 またパラパラと手にとっていくと思います。概観を知る意味でも良書だと思いました。2018/03/07
たろーたん
1
イタリアでは汚職による贈収賄がかなり酷い。1861年に統一をしたいたりはあ、ヨーロッパでの地位を確固とするために中央集権化し、国家と市民の間を結びつけるはずの諸団体(カトリック教会や職人団体、労働組織)の活動に強い抑圧を加え、民衆の要求を政治に組み上げるための回路が機能不全に陥ってしまった。この時、その改善のために使われたのが、「クライエンテリズム」という元々弱い立場にある人間から差し出された忠誠の見返りとして、強い立場にある人間が庇護を与えるシステム(親分―子分、パトロンークライアント等)である。(続)2023/10/15
たなかか
1
ミラノ行きにともない イタリア文化の勉強 イタリアって出来て150年ばかりしかたってないのね びつくり かつサルディニヤ王国がベースって意外~ 古い国だとおもってたよ2017/07/09
Nunca Me Rindo
0
イタリア文化の解説本。リソルジメント後の解説が分かりやすい。 セリエAのゴール裏を調べるうちに、南北問わず組織に対して「特定の個人」の影響が強い国だなあという印象を持ち、日頃から疑問に思っていたが、この本を読んでその歴史的な背景が分かった。 どうやら1861年のイタリア統一後に急ごしらえで中央集権化を進めるため「地元の顔役」を国家と民衆のパイプ役として重用し、特定の個人に依存する社会体質が形成されたことと深い関係があるようだ。 これは「クリエンテリズモ」と呼ばれ、イタリア社会の特徴の一つとのこと。2023/08/22