内容説明
第2次世界大戦を招いたことから評価の低かった国際連盟は、失敗せる国際平和機構だったのか。近年、連盟による経済および社会的国際協力事業が見直されるなか、保健事業にも再評価が進んでいる。本書では、国際連盟保健機関(LNHO)から世界保健機関(WHO)とユニセフが設立される過程に焦点を当て、連盟の経験と反省に基づき、国際連合のもとで新しい安全保障の形態が築かれたことを解明する。
目次
国際政治研究からみた国際保健事業
第1部 「ポジティブ・ヘルス」の出現(国際保健協力の歴史的系譜;東アジアでの事業展開と国際関係―1925~38年;伝染病の撲滅から「ポジティブ・ヘルス」へ―栄養問題への多角的な取り組み1929~43年)
第2部 「ポジティブ・ヘルス」の実現に向けて(テクノクラートたちの戦後構想―1943年;国際連盟保健機関から世界保健機関へ―1943~45年)
第3部 「ポジティブ・ヘルス」の行方(世界保健機関の設立と初期の活動―1945~46年;戦後初期東アジアにおける国際保健事業―1946~53年)
国際政治のなかの国際保健事業
著者等紹介
安田佳代[ヤスダカヨ]
1981年広島県生まれ。2005年東京大学法学部第3類(政治コース)卒業。2008年日本学術振興会特別研究員(DC2)。2010年東京大学大学院総合文化研究科国際社会科学専攻国際関係論博士課程単位取得退学。博士(学術)。東京大学東洋文化研究所特任助教。2012年東京大学東洋文化研究所助教。現在、関西外国語大学外国語学部専任講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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