内容説明
日清戦争の連戦連勝に東京中が沸いた明治二七年一二月九日。上野公園を会場に開催された「祝捷大会」へとタイムスリップ。川上音二郎一座による野外劇、清国軍艦の撃沈劇、野戦病院の再現、ハリボテの凱旋門…見世物研究の第一人者が現場からレポートする。
目次
栽松碑のある風景
上野のお山で
市村座見物
玉乗り未練
東京の暗さ
水の都
日比谷公園午前七時半集合
万歳三唱、でも誰に向かって?
つくりもの競演、それとも狂演
万世橋にて〔ほか〕
著者等紹介
木下直之[キノシタナオユキ]
1954年浜松市生まれ。1981年東京藝術大学大学院美術研究科中退。兵庫県立近代美術館学芸員、東京大学総合研究博物館助教授を経て、東京大学教授(文化資源学)。主著『美術という見世物』(講談社学術文庫、2010年、サントリー学芸賞受賞)、『わたしの城下町』(筑摩書房、2007年、芸術選奨文部科学大臣賞受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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takao
3
明治27年に上野で開催された日清戦争の勝利を祝う大会から。2017/12/27
kenitirokikuti
2
上野公園にて行われた日清戦争祝捷大会を扱う。不忍池に定遠の模型を浮かべ、模擬海戦をやったそうな。関係する碑文が上野動物園内に打ち捨てられているそうな。鎮遠かも2015/06/05
東隆斎洒落
1
14.3.30◆明治27年12月9日。見世物研究者である著者が、日清戦争の連勝に上野公園で開かれた「祝捷(勝)大会」にタイムスリップして、当時の街並みをレポートする。◆不忍池に浮かべた清国戦艦の模型を花火で撃沈する見世物。関東大震災で倒壊する浅草の凌雲閣は地震でも堅ろうと宣伝。戦利品のゾウやラクダを陳列する上野動物園。神田明神と山王日枝神社の山車・神輿の競い合い。初めての対外戦争の勝利・戦利に、国民全体が酔いしれるさまは、鎖国文化を引きずった排他性と、文明開化が同居する。◆タイムスリップする設定も心憎い。2014/03/30
新井勝彦
1
明治27年12月に日清戦争勝利を祝い行われた東京市祝捷大会を著者がタイムトラベルしたという体で紹介。スゴイのはまだ戦争が終わっていないのに祝勝会やってること。内容も中国人の切首模型がぶらさがった提灯や山車が街を練り歩き、川上音二郎の芝居あり、クライマックスは不忍池に浮かべた清の軍艦模型を沈める大仕掛け花火(まだ健在の船まで沈めてる)という大騒ぎ。教科書の「日清戦争勝利に国民は熱狂」の熱狂がどんなものだったかうかがい知れます。また戦争の分補品、さらには英雄がどのように「見世物」になったかも紹介。2014/02/13
onepei
1
さすが余裕綽々で書いているように感じられ、楽しかった。2013/11/30
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