内容説明
福本和夫が「マニュファクチュア」を追い求めたのには、柳田國男の影響があった―。西欧マルクス主義思想家の一人とされ、民俗学の柳田國男と全く関係のなさそうに見えた福本。しかし、二人は共に、「コトバ」に強い関心を抱いていた。柳田と出会い、民俗学の一つのテーマ「コトバ」に傾倒し、マニュファクチュア研究、日本ルネッサンス研究へと突き進んでいく知的な冒険を、思想史研究の泰斗が描く。
目次
序論 華やかなデビューと瞬時の凋落
第1章 獄中にて
第2章 獄中での柳田國男との「出会い」
第3章 低い目線で
間奏譜 思い出す事ども
第4章 「メチエ」とは何か
第5章 秘密の「手技」から近代的「特訓制」へ
第6章 「メチエ」を含む「知識」は何に集積されているか
第7章 戦後の福本和夫の業績
第8章 「コトバ」の追求を更に深めて
著者等紹介
清水多吉[シミズタキチ]
1933年会津若松生まれ。1958年東京大学文学部哲学科卒業。1960年東京大学大学院(哲学専攻)修士課程修了。立正大学教授、ニューヨーク・ホウフストラ大学客員教授、東京大学、名古屋大学、早稲田大学等での講師、社会思想史学会代表幹事を歴任。現在、立正大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。