内容説明
門司で石油販売業を始め、持前の才覚で営業を拡大、敗戦で海岸資産を失うも、原油輸入から精製、販売まで携わる石油会社を築いた出光佐三。メジャーズや政府規制に対抗し続け、民族系石油会社の雄となりえた背景を探る。
目次
生い立ちから出光商会創業まで―一八八五~一九一一年
初期の需要開拓―一九一一~一五年
海外への進出―一九一六~二二年
経営危機と資金繰り―一九二三~二九年
海外進出の本格化―一九三〇~三六年
外地重点主義徹底と企業体制再編―一九三七~四一年
南方への進出―一九四二~四五年八月一五日
敗戦直後の奮闘と出光興産への統合―一九四五年八月一五日~四八年
元売指定と日章丸事件―一九四九~五三年
徳山製油所の建設―一九五四~五七年
ソ連石油輸入と石油業法への抵抗―一九五八年~六三年
出光興産の成長と晩年―一九六四年~八一年
革新的企業者としての出光佐三
著者等紹介
橘川武郎[キッカワタケオ]
1951年生まれ。1983年東京大学大学院経済学研究科第2種博士課程単位取得。経済学博士。青山学院大学経営学部助教授、東京大学社会科学研究所教授を経て、一橋大学大学院商学研究科教授(日本経営史、エネルギー産業論専攻)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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手押し戦車
6
多くの人に奉仕のをした人が一番の利益を得る。自分の事よりも他人の事を思いやって、自分の出来ることを全力でやれ。カーネルおじさんが信念としていた言葉。「人間尊重」肩書きを捨て人間が中心となって、お金、組織を使って、多くの人に奉仕する。人は一人だとヒト、人の間で人間。物事を人を中心に考え、人に尽くして初めて人が動いていける。従業員を大事に大家族として商売をして行く「絆」を感じた。他人に奉仕する時にその力は大きくなり、決断、政府の規制撤廃など人間の力の大きさを感じた。誠実で力を合わせ、人を尊重すると社会に大きく2014/03/13
Mitz
3
百田尚樹のベストセラー『海賊とよばれた男』のモデルである人物についての評伝。先日読んだ『日本の産業革命』という本の中で、製糸・紡績、鉄道、鉱山、金融の興りについて触れたので、石油業の興りについても知りたくなり。特に気になっていたのは、石炭から石油への転換の経緯、戦前・戦中の諸規制と軍部との関わり、また戦後のGHQによる石油政策。出光という会社、またその創業者である出光佐三という人物を通してではあるが、最近の自分の関心事である‘日本の産業史’の理解が深まった。石油は地政学的な要素も絡むだけに奥が深い。2013/01/13
あちこ
1
11才の弟くんが借りた本。小学校の図書館から。まあ、小学生に読めるような本ではないので、わたしが読んでかいつまんで説明することになるわねえ。「海賊」が強調されがちだけれど、それだけじゃないのよ。2016/06/02
isw79
1
読了。著者の橘川教授にお会いしたことがあるがユーモアとシニカルさを併せ持った人物だった。その印象からすると本書はやや店主に肩入れ気味の筆調かもしれない。また、淡々とした文章なので初めて店主に触れる人には物足りないかも。2013/03/24
yujiyuji
1
出光創業者について書かれた本。「海賊と呼ばれた男」を読む前の予習として読む。主義を変えない事の大切さを学べます。2012/10/21
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- 和書
- ラスト・タイクーン