出版社内容情報
人間社会研究の基礎学としての人口学が持っている可能性について、人口研究の第一線の著者たちが提示する。
内容説明
人口の再生産過程は人間社会存立の根本的基盤である。しかし、増加から減少へ、分水嶺を超えてしまった日本の人口。われわれは今や、人類未踏の社会に突入してしまった。人口の持続的拡大を前提として構築されてきた近代社会システムは、あらゆる面で再考の必要に迫られている。本書において、日本の人口研究の第一線の著者たちは、人間社会研究の基礎学としての人口学が孕む豊饒な可能性を提示するとともに、わが国における人口研究体制の早急な確立の必要性を強く訴える。
目次
第1部 日本人口の分析(晩産化と人口変動―出生年齢の若年シフトが人口減少を緩和する;高学歴化と出生率変動―人口学的シミュレーション;日本人口絶滅へのシナリオ;人口指標の精度について;世帯から見える日本のすがた)
第2部 越境する人口学(老化と寿命の人口学―社会科学・生命科学・数理科学の交錯領域;低出生力は経済成長の帰結か?―経済学における“人口”の復権;イベントヒストリー分析の歴史人口学への応用―近世日本の農村人口のライフコース分析の事例;小集団人口学―途上国の小集団における人口調査とその分析;感染症の人口学―感染症に棹さされた人類の歴史と感染症の数理)
第3部 人口分析の基礎
著者等紹介
稲葉寿[イナバヒサシ]
1957年神奈川県茅ケ崎市生まれ。1982年京都大学理学部数学系卒。1982年~1996年厚生省人口問題研究所勤務。1989年ライデン大学Ph.D.取得。現在、東京大学大学院数理科学研究科准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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