出版社内容情報
アメリカの気鋭の人類学者が21世紀初頭の日本でフィールドワーク。親族は長く文化人類学の中心課題だが、離婚を主題に据える研究はこれまでほとんどなかった。
親密に、別れる? 不安の時代、離婚は妻が切り出すものになったのだろうか?
離婚には、個人、家族、国家のレベルで、他者との親密な関係性とその理想をめぐるどのような意識が映し出されているのか。変容する家族規範、自立のロマンス、新自由主義、ジェンダー、法律、親権、別居家族、拡大家族、熟年離婚、婚活、負け犬、電車男……〈私が関心を向けたのは、人が私に何を伝えようとしたのかであり、正当なまたは理屈の通らない離婚を説明するために持ち出される詳細な叙述であり、そして自分が言いたいことをどのようにして語るのかという点だった〉〈離婚という出来事がどのようにして他の生活の側面に収まっていくのかという点に注意を傾け、多くの人と話をし、ただそれだけではなくその人たちの人生に寄り添うことにも全力を尽くした〉(序論)。
つながりと別れ、そして新たなつながり。
異文化の調査者としてのクリティカルな眼差しと、友人としての感情が豊かに交差する地点で、現代日本社会の姿を現実の複雑さのままみずみずしく描いた民族誌的成果。
内容説明
アメリカの気鋭の人類学者が21世紀初頭の日本でフィールドワーク。親族は長く文化人類学の中心課題だが、離婚を主題に据える研究はこれまでほとんどなかった。親密に、別れる?不安の時代、離婚は妻が切り出すものになったのだろうか?離婚には、個人、家族、国家のレベルで、他者との親密な関係性とその理想をめぐるどのような意識が映し出されているのか。変容する家族規範、自立のロマンス、新自由主義、ジェンダー、法律、親権、別居家族、拡大家族、熟年離婚、婚活、負け犬、電車男…。つながりと別れ、そして新たなつながり。異文化の調査者としてのクリティカルな眼差しと、友人としての感情が豊かに交差する地点で、現代日本社会の姿を現実の複雑さのままみずみずしく描いた民族誌的成果。
目次
序論 不安と自由
第1部 終わりの始まり(日本的親密性のポリティカル・エコノミー;離婚しないための二つのコツ)
第2部 法的解決(協議の構造;一緒の家族、ばらばらの家族)
第3部 バツイチとして生きる(離婚のコスト;別れた人たちのきずな)
結論 終わり、そして新しい始まり
著者等紹介
アレクシー,アリソン[アレクシー,アリソン] [Alexy,Allison]
アメリカの文化人類学者。イエール大学にてPh.D.取得(文化人類学)。現在、ミシガン大学人文科学部アジア言語文化学科准教授・同大学日本研究センター兼任職員を務める。「家族国家」という視点から、現代日本のパートナーシップや夫婦間の親密な関係性。離婚後の子どもの共同養育にまつわる法律や政策上の問題などを主に研究
濱野健[ハマノタケシ]
ウェスタン・シドニー大学人文学部にてPh.D.取得。専攻は社会学。現在、北九州市立大学文学部人間関係学科准教授。2017年から18年までミシガン大学日本研究センター客員研究員。現代社会における家族意識の変容などを主に研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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