- ホーム
- > 和書
- > 人文
- > 哲学・思想
- > 日本の哲学・思想(近代)
出版社内容情報
「良妻賢母」は明治期に作られた新しい概念だった。良妻賢母主義から外れた人々の活躍を通して近代国家と女性の関係を明らかにする。
内容説明
明治・大正・昭和に至るまで女子教育の基本理念となった「良妻賢母主義」はどのように確立されたのか。規範を外れた人々の活躍を追い、国家と女性の関係を解き明かす。
目次
第1部 湘煙・岸田俊子―規範を越える女(「らしうせよ」―規範をめぐる攻防;集会条例違反とされた演説―「函入娘」再考;湘煙は「男女同権」を主張したのか―「同胞姉妹に告ぐ」再考;女の教育―岸田俊子を読み直す;女の文体―漢文脈で書く女への集中砲火;岸田俊子の表象―「同胞姉妹に告ぐ」という神話)
第2部 湘煙かららいてうへ―女子教育をめぐる攻防(良妻賢母教育・良妻賢母主義の成立;らいてうの到来)
第3部 漱石、新しい男へ(個人的な新聞小説―漱石の「意中の人」;ぶつかり合う夫婦と、過去からの来訪者―「道草」にみる妻の意味;「新しい妻」と「美しい女」―決着としての「明暗」)
著者等紹介
関口すみ子[セキグチスミコ]
東京大学大学院法学政治学研究科博士課程修了。現在、法政大学法学部政治学科教授。専攻はジェンダー史・思想史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
jamko
11
まず湘煙こと岸田俊子を本書で初めて知った。京都生まれの天才少女で明治15年若干20歳にして演壇に上がった「演説する女」。高等教育から女生徒を排除した明治において女子教育の重要性を訴えた人。この本のメインテーマの一つである文体の話が面白い。漢詩漢文を操ることで「女らしくない」と批判された俊子。〈漢文と外国語教育を男に与え、女に基本的に与えないことで、知におけるジェンダーの差異=序列が作り出されていた。〉状況にあって自力で漢文と英語を学んだらうてうは、漢字を多用し、英語の素養を前提にした言文一致体(口語文)→2020/11/18
宙音
0
レポート用。「新しい女」の成り立ちから漱石の「女」問題まで。漱石のところしかちゃんと読めていないけど漱石の実際の女関係から探っているのが面白い2020/07/25