「死の欲動」と現代思想

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  • サイズ B6判/ページ数 399,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784622074434
  • NDC分類 146.1
  • Cコード C1011

内容説明

精神分析はみずからの死後を生き延びているのか。フロイトの思考を同時代の知的文脈に置き直し、後の分析家や哲学者たちの誤解と無理解を抉出する初の試み。

目次

第1章 偶像たちの黄昏―フロイトからラカンまで(フロイト・ブランドの今;「フランス流フロイト」の彼岸―アメリカの場合;ホテル・アビスでコンティネンタル・ブレックファストを)
第2章 さまざまなる「彼岸」―死者と死にゆく者へのご案内(事の核心へ、与えられ、奪われ、拒まれ、忘却された『彼岸』;伝記的「彼岸」;生物学的な「彼岸」 ほか)
第3章 「彼岸」の別面/他者―その別名は「集団心理学と自我分析」(死にゆくこと―抵抗、成長、集団的同一化;因果律と実存;社会性と絶対的なナルシシスト ほか)

著者等紹介

デュフレーヌ,トッド[デュフレーヌ,トッド][Dufresne,Todd]
1997年、ヨーク大学で博士号取得(社会政治思想)。レイクヘッド大学哲学教授

遠藤不比人[エンドウフヒト]
1961年東京に生まれる。慶應義塾大学大学院文学研究科後期博士課程単位取得退学。現在、成蹊大学文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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うえ

10
「ラカンによると、フロイトが望んでいたのは「無意識の主体と自我の組織とのあいだには、絶対的な非対称性があるのみならず、根本的な差異があるということを私たちに認知させる」ことであった…あたかも、ラカンの言い分では、この両面が「表と裏のように」対応するかのように。片面を分析すれば別の面も自動的に分析終了、というぐあいに自我心理学の徒は考えてしまったわけである。ラカンの議論では、それはなかなか説得力があるのだか、フロイト自身にしてみればそのような思い込みは皆無であることになる。」2019/06/25

7ember

1
非常に荒っぽく要約すると、フロイトの精神分析理論の構築は論敵に対して自らのオリジナリティを証明しようという動機によって突き動かされており、<死の欲動>理論とてその例外ではなく、真面目に検討しようとしても不毛である、といった論調であったと思う。言及は多方面に及ぶが、ニーチェとショーペンハウアーからの影響の不安や、19世紀末の生物学との関連の示唆などがとりわけ印象に残った。2014/12/31

Masakazu Shimamura

0
本書を紐解けば知的殺戮の場を目撃するだろう。著者は膨大な現代思想の資料を用いて、既に瀕死状態の精神分析・フロイドへの最後の一撃を狙う。『精神分析は機能しないし、機能したこともないし、機能する可能性もない…精神分析は死に、精神分析の世紀たる20世紀の最後にその埋葬と死亡記事の掲載がついに決定することになるのだ』という一文で、本書は締めくくられる。しかし、フロイドは本当に死んだのだろうか。むしろ殺す事を通して瀕死のフロイドを蘇らせているのではないだろうか。いづれにしても、著者の鬼気迫る愛を感じる。2017/05/06

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