内容説明
ポストコロニアル批評の先駆『黒い皮膚・白い仮面』『地に呪われたる者』の著者ファノンが、アルジェリア独立闘争のさなかから発した緊急のメッセージ。人間にとって伝統とは、技術とは、医療とは、個と共同体との関係を変えていくのは何か―植民地解放闘争の一局面には限定されえない思考の広がりが、21世紀のわれわれに訴えかけてくる。
目次
1 アルジェリアはヴェールを脱ぐ
2 『こちらはアルジェリアの声』
3 アルジェリアの家族
4 医学と植民地主義
5 アルジェリアに於ける少数ヨーロッパ人社会
著者等紹介
ファノン,フランツ[ファノン,フランツ][Fanon,Frantz]
1925年、カリブ海に浮かぶ西インド諸島(アンティル諸島)の南端近くのフランス領マルチニック島で生まれる。第二次大戦中、ドイツならびにこれと協力するフランスのヴィシー政権支配下の島から出て、ド・ゴールの「自由フランス」に志願して参加し、各地で戦った。戦後はフランス本国に学び、リヨン大学で精神医学を専攻して学位を取得。1952年に『黒い皮膚・白い仮面』をスイユ社から刊行。1953年11月、フランス領アルジェリアのブリダ・ジョアンヴィルにある精神病院に赴任。翌年、アルジェリア独立戦争が勃発し、人生は決定的な転機をむかえる。戦争初期は民族解放戦線(FLN)の活動を密かに助けていたが、1957年以来病院の職を辞し全面的にFLNに身を投じるようになる。FLNの機関紙『エル・ムジャヒド』に精力的に寄稿するなど、アルジェリア革命のスポークスマン的役割を果たした。1958年には『アルジェリア革命第五年』(後に『革命の社会学』と改題)を発表、そして1961年には、白血病に冒されつつも『地に呪われたる者』をわずか10週間で執筆。それは、闘争の生涯を貫いたその思想の総決算であり、刊行されてからわずか数日後の1961年12月6日、息を引き取った。36歳の若さであった
宮ヶ谷徳三[ミヤガヤトクゾウ]
1935年神戸に生れる。1958年京都大学文学部仏文学科卒業。1963年同大学院博士課程修了。神戸大学名誉教授。2005年歿
花輪莞爾[ハナワカンジ]
1936年東京に生れる。1960年東京大学文学部仏文学科卒業。1965年同大学院博士課程修了。現在、国学院大学名誉教授
海老坂武[エビサカタケシ]
1934年東京に生れる。仏文学専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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