出版社内容情報
そもそも天皇制とは何なのか? 歴史と世界を踏まえて根っこから知り、一人ひとりが「この国の主人公」として考えるための入門書。生前譲位が近づくなかで、そもそも日本独特の天皇制とは何なのか? 歴史と世界を踏まえて根っこから知り、一人ひとりが「この国の主人公」として考えるための入門書。
宇都宮 健児[ウツノミヤ ケンジ]
著・文・その他
内容説明
天皇や皇室には基本的人権が保障されてない?生前退位ってどんな意味があるの?私と天皇制ってどんな関係?弁護士が法律家の視点から考える。シリーズ第10弾!
目次
第1章 どうして日本には天皇制があるの?
第2章 天皇制ってずっと同じじゃないの?
第3章 今はどうなってるの?
第4章 未来のために考えるべきことってなに?
第5章 民主主義から天皇制を考えるの?
第6章 私が民主主義社会の主人公?
著者等紹介
宇都宮健児[ウツノミヤケンジ]
1946年愛媛県生まれ。弁護士。地下鉄サリン事件被害対策弁護団団長、年越し派遣村名誉村長、日本弁護士連合会会長などを歴任。2012年と2014年の都知事選に出馬。現在、全国ヤミ金融・悪質金融対策会議代表幹事、反貧困ネットワーク代表世話人、人間らしい労働と生活を求める連絡会議(生活底上げ会議)代表世話人、公正な税制を求める市民連絡会共同代表、希望のまち東京をつくる会代表、『週刊金曜日』編集委員などを務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ツキノ
16
中学生の質問箱シリーズはほんとうに読む価値がある!おとなこそ読みたい。天皇制の長い歴史をまずは歴史をさかのぼって見ていき、今につながる明治からの天皇制、進んでいく神格化、アメリカの支配・指導を受けて日本の戦後がスタートしたことなどが、質問(この本ではかなりフランクなかんじ)を通してわかりやすく書かれている。特に最終章がいい。「天皇制の問題について考えることは、私たちの人権や民主主義、自由を考えることにつながっている」。2019/05/30
しゅん
14
天皇の基本的人権の欠如(つまり差別)の話はいくつかの本で読んでいたが、それと戦争責任の問題(戦勝国アメリカの都合による最高責任者の免責)がつながっていく議論は大事だと思う。日本国の行政組織が「責任」概念を受け止めきれず、強者につき弱者を貶めるかたちでしか国を維持できないことの根本原因に思えるからだ。民主主義に対して自分は宇都宮氏ほどの信頼はおけないが、氏が甘ったるくふやけた理想だけの人でないことを実感する。沖縄の返還を抑止するメッセージを昭和天皇が米国に送っていたことも重要な指摘。2020/05/26
ベランダ
11
学生時代のアレルギーで歴史的な話がぼやーっとしてるので、素直に読むしかできませんでしたが、わかったことだけ。明治維新の際、このままでは植民地にされる…という世界情勢から、立憲君主制をお手本に近代国家を作ることになり、今の天皇制の原型が作られた。そして戦後GHQが象徴天皇のかたちで天皇制を残すと決め、戦争の責任所在はあいまいになり、皇族は居場所を得た。でも、生まれながらにこの立場から逃れられないのって人権問題。これを特別な例外と考える思考がやばいっていうのも納得。今まで何も考えてなかったなあと思った。2019/05/02
人間
10
天皇制について議論をすること自体をタブー視してはならない。日本国憲法で保障している法の下の平等と、明治維新後の歴史的背景、欧州などの王政廃止の流れを考えると、「本当にこのままでいいのだろうか?」と疑問が湧く。特別な存在とされる一方、天皇や皇族の人に対する人権の制限もまた議論の余地がある。よく言われることだけど、他国においては市民が投票や革命で憲法を決めてきたのに、日本は戦後処置の中で与えられたもので市民運動がなかった。改憲が必要というなら、我々市民から草案を募るべきと思う。権力者主導では民主主義ではない。2020/06/23
hozuki
9
日本の戦前は天皇に主権があった。それが成り立ったのは天皇は神様の祖先とされたから。戦後、GHQの介入により民主主義国家となった。しかし本当に民主主義は実現しているのか。今まで疑問にも思わなかったことだった。天皇制の有無、教育のあり方、政治家、自衛隊や原発のこと…、もっともっと自分の頭で考えてみる必要があったんだと気づく。平等な社会なはずなのに、そうだと完全に思えない社会。筆者は変人になれと訴える。「民主主義の主人公になる」そのための一歩として、空気を読むじゃなくて、胸を張って生きられたら。2019/09/16
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