内容説明
新しい世界史像への批判的構想!ヴェーバー研究55年余の沈潜を経た大胆な問題提起。
目次
1 ヴェーバーにおける欧米近代―「倫理論文」の内容骨子(「職業義務エートス」としての「(近代)資本主義の精神」
カルヴィニズムの「二重予定説」と「合理的禁欲」 ほか)
2 ヴェーバーによる比較歴史社会学の方法と構想―「倫理論文」を越えて世界史へ(研究領域、因果帰属先の拡張と、因果帰属の論理による他文化圏との比較;ヴェーバー社会学の創成―歴史研究への基礎的予備学 ほか)
3 ヴェーバーの比較歴史社会学におけるアジアとくに中国(「欠如理論」ではないヴェーバーの眼差し―非西洋文化の特性把握と因果帰属への一般方針;インドにおけるカースト秩序の歴史的形成とその諸条件 ほか)
4 比較歴史社会学の展開―ヴェーバーからのパラダイム変換と再構成に向けて(日本における「敗戦後近代主義」のヴェーバー解釈とその被制約性;「プロテスタンティズム・テーゼ」の「法則科学」的普遍化即一面化―ベラーと余英時による展開の問題性 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mokohei
0
本書で同じヴェーバー関係者だった大塚久雄と丸山真男が名指し批判されているのが興味深い。 1964年に行われたマックスヴェーバーシンポジウムではヴェーバーの議論を単線的発展論とみなす議論は「亜流理論」とされました(大塚久雄編「マックス・ヴェーバー研究」1965,p197)。この場で亜流とされたのはパーソンズを始めとしたアメリカのヴェーバー論者でしたが、本書では大塚や丸山も同じ「敗戦後近代主義」の知識人として欧米に追随した者とされ(p166-168)、実質的に単線的発展論者として批判されています。2021/11/20
-
- 和書
- 女性差別撤廃条約と日本
-
- 和書
- 岸信介政権と高度成長