出版社内容情報
近世後期、自学用の本で四書を学び漢詩を作った広範な「近世読者」は、明治以降どう変わったか。多様な史料で描く書籍文化史
鈴木 俊幸[スズキ トシユキ]
著・文・その他
内容説明
近世後期に大量に出現した読者たち、自学し、漢詩づくりにまで手を染める読者たちは、“読書の近代”をどのように迎えたのか?刊行された書物現物はもとより、葉書など多様な史料を駆使して、読者のニーズや版元の戦略、書籍流通の具体を明らかにする画期的論考。
目次
序章 近世読者のゆくえ
第1章 民間の学芸と書籍文化(学問と文芸と生活と―近世後期民衆の学芸世界;詩作書の盛行(1)―『詩語砕金』と『幼学詩韻』
詩作書の盛行(2)―『幼学便覧』)
第2章 拡大する書籍市場と幕末の書籍流通(上総国における書籍流通拠点の成立―江戸時代の東金書肆多田屋;磐城三春の書肆とその江戸仕入れ;民間の蔵書と購書―木曾上松宿武居家を例に)
第3章 近代教育のはじまりと明治初年代の書籍流通(筑摩県における教科書・掛図翻刻事業;書籍流通の諸相;明治の多田屋嘉佐衛門)
第4章 書籍業界における江戸時代の終わり方(新聞・雑誌と広告の季節;信濃出版会社と脩道館―予約出版の蜜月と落日;信州北安曇郡清水又居の書籍購入;望月誠と由己社;兎屋と書籍安売り競争)
著者等紹介
鈴木俊幸[スズキトシユキ]
1956年、北海道生まれ。中央大学大学院博士課程満期退学。中央大学文学部教授。専攻、書籍文化史。編著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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