内容説明
脳イメージングで脳の働きをとらえるにはどのような方法があるのか、また脳の働きを通して心の働きを知るには心理学の実験デザインをどのように組めばよいのかについて解説した実践的入門書。本書では、心の働きとして、志向的意識と深くかかわるワーキングメモリと視覚的注意を中心にとりあげている。この心の働きをとらえるための手法として、機能的磁気共鳴画像法(fMRI)、経頭蓋磁気刺激(TMS)、脳磁図(MEG)を用いた実験について、実際の先端的脳研究をもとに解説している。さらに、心の窓といわれる目の動き(眼球運動)の原理と測定法についても紹介する。本書の内容は、記憶や注意に関する研究者が実際に行った実験をもとにしているため、実験の方法などが具体的にまとめられているのも特徴である。
目次
1章 ワーキングメモリ―「心から脳へ」の出発点
2章 fMRI実験の基礎知識―撮像のしくみとデータ取得・解析の方法
3章 fMRIを用いた研究1―言語
4章 fMRIを用いた研究2―視空間
5章 fMRIを用いた研究3―社会脳
6章 経頭蓋磁気刺激(TMS)を用いた研究―注意と意識
7章 脳磁図(MEG)を用いた研究―仮現運動刺激に対するヒトの方向選択性
8章 眼球運動を指標とした研究―注意とワーキングメモリ
著者等紹介
苧阪直行[オサカナオユキ]
文学博士。1946年京都市に生まれる。1976年京都大学大学院文学研究科博士課程(心理学専攻)修了。京都大学大学院文学研究科教授、文学研究科長・文学部長などを経て、京都大学名誉教授。日本学術会議第一部会員。日本学術会議関西地区会議代表幹事。日本ワーキングメモリ学会会長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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