内容説明
知識や経験の異なる者同士をつなぐ“科学技術コミュニケーション”は、環境、人権、倫理などの問題に対して、人々が知恵を出し合い議論を重ね解決の糸口を見つける際に、重要な役割を担ってきている。本書は、理工系の学生や科学・技術の現場で働く人のために科学技術コミュニケーションの現状と展望をまとめた書である。第1部では、科学・技術の現場で必要とされているコミュニケーション能力を、第2部では、いま科学技術コミュニケーションが注目されている理由、第3部では、個人としての科学技術コミュニケーションへの関わり方を解説する。
目次
第1部 社会の変化と技術系現場のコミュニケーション(技術系職場の科学技術コミュニケーション;科学技術系の仕事をめぐる個人と社会のコミュニケーション;土木技術者は社会的意志決定にどう向き合うのか;土木技術者は社会的意思決定にどう向き合うのか;参加型社会基盤整備における専門家と市民の間のコミュニケーション技術;市民参加を可能にするコミュニケーションの基礎技術)
第2部 科学技術コミュニケーションの歴史的背景(社会における専門家の役割―イタイイタイ病の原因をめぐる議論から;未知のリスクとコミュニケーション不全―英国BSE対策における「初動」の失敗;科学技術コミュニケーション問題の起源;「サイエンスコミュニケーション」の発生と発展―英国その他欧州の歴史を概観する)
第3部 科学技術コミュニケーションの浸透と発展(楽しみのための科学技術コミュニケーション;サイエンスカフェをテレビ的に設計する―科学への共感をより高めるために;新聞は読者と科学技術をどう変えてきたか;NPOは個人の力を集団の力にする)
著者等紹介
梶雅範[カジマサノリ]
1979年東京工業大学理学部化学科卒業。1988年東京工業大学大学院理工学研究科博士課程修了。学術博士。1990~1992年レニングラード(サンクト・ペテルブルグ)国立大学留学(ソ連政府奨学金留学生)。1994年東京工業大学工学部人文社会群助教授。1996年東京工業大学大学院社会理工学研究科助教授。2007年同准教授
西條美紀[サイジョウミキ]
1998年お茶の水女子大学大学院人間文化研究科比較文化学専攻修了。博士(人文科学)。1999年早稲田大学日本語研究教育センター客員講師。2001年東京工業大学留学生センター助教授。2006年同教授
野原佳代子[ノハラカヨコ]
1995年オックスフォード大学東洋学研究所日本学常勤講師。1998年オックスフォード大学大学院クイーンズカレッジ博士課程修了。博士D.Phil.(翻訳理論)。日本学術振興会特別研究員P D。2000年学習院大学文学部助手。2002年ルーヴェンカトリック大学文学部国際研究員。2004年東京工業大学留学生センター助教授。2007年同准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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木村すらいむ
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