出版社内容情報
「転形問題」などの経済学、進行形の運動を含む政治学、現代思想とも関連する哲学、三分野からなる中級者向けの手引書。従来の概説書にはない新項目を網羅し、記述にも新味がある。
内容説明
現代の資本主義を考えるうえでマルクスの思想の再評価や見直しが進んでいる。弁証法的・史的唯物論、「共産党宣言」の基になる階級闘争、『資本論』の中心となる剰余価値などの理論を、哲学、政治、経済学それぞれの専門家がキーワードをまじえて解説。新味を出した中級者向けの手引書。
著者等紹介
井形和正[イガタカズマサ]
1947年生まれ。一橋大学大学院言語社会研究科博士後期課程単位取得退学。国際社会学、地域研究(フランス、西アフリカ)専攻
斎藤かぐみ[サイトウカグミ]
1964年生まれ。東京大学教養学科卒。欧州国際高等研究院(IEHEI)修了。フランス語講師・翻訳(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ブルーツ・リー
4
こっちも辞典かい!と思った。 今日読んだ2冊のうち、もう1冊も読み物だと思って借りてきたら、辞典だったという。 マルクスに関しては、原点の、思想としてのマルクス主義に関しては、今一つ、分からないまま。 思想ではなくて、むしろ現在の政治の中でのマルクス主義、共産主義や社会主義の印象が強くで、マルクスを読むと、思想が深まるというか、この思想を基にして、今現在、どんな政党活動が行われていて、どんな政策を言っているか、という、現実的な知識が増えて行く感じ。2021/01/27
onisjim
2
この本は先頭から順に読んでいくものじゃないな。適当にページを開いてそこにある項目ひとつに目を通して寝る、くらいの読み方が良い。2015/02/17
田中峰和
1
資本主義が危機に突入しマルクスが見直された2009年の出版。3人の著者が経済、政治、哲学の各分野で執筆している。経済分野ではマルクスの時代にはない非オーナー経営者・ホワイトカラー層の出現といった要素を加味しアップデート。政治分野では「階級闘争」「共産主義」などの定番的な項目の他、「自由」「ボナパルティズム」「法」などが主題化されている。哲学分野では、マルクスの思想とその後の展開など濃厚な内容を手短に要約した項目が多い。扱われる概念も「疎外」から「唯物論」まで多岐に及び、ヒューマニズム的側面を強調している。2015/03/16
晴れたそ。
0
大学の開架閲覧室にて2015/05/21
Hidekazu Asai
0
とても参考になる本でした。 随所に見られるマルクス主義思想家への言及は興味深いものがあります。 そして、この種の本ではいつも「日本のマルクス主義者」は言及されません。 2018/04/30