内容説明
曖昧にされてきた両者の「微妙な関係」を語り尽くす。
目次
診断と治療はともに進む―そのときカウンセリングは
なぜよくなったか、分からないということ―物語学派の視点から
どうするのが「精神科カウンセリング」なのか?
カウンセリングも精神療法も
心理士の心理療法と精神科医の心理療法
精神科医と臨床心理士の協力という視点から
精神療法の広がりとカウンセリングとの重なり―森田療法を起点として
カウンセリングと心理療法の見方さまざま
“浅い”と“深い”を行き交う
本当の名前は何だろう?
「カウンセリング/心理療法」の裏に潜むもの
「カウンセリング」という言葉の濫用―精神分析家のぼやき
探し物は何ですか?―一開業医の視点から
その現場からの呟き
「勘違いのコミュニケーション」を活かす
専門家の壁!?
「カウンセリングもどき」のこと
続・どうするのが「精神科カウンセリング」なのか?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
イチイ
1
「カウンセリング」と「心理療法」という2つの心理学的な援助行為の定義の曖昧さや相互の関係をテーマとした論文集。が、どちらかというと個人的体験や見解をまとめた散文的な論文が多く、あまり体系的な議論とはなっていない。治療の浅深をテーマとした弘中論文では、カウンセリングは浅く、心理療法は深いレベルを扱うという一般的な議論を踏まえつつ、セラピストの意図に関わらず、心理学的援助のプロセスは両者を行き来しながら進むものだという実践を重視した議論が面白かった。2019/03/14
くままー
0
カウンセリングを行う時それがどの様な意味合いを含んでいるのか、また、自身の心理臨床行為が心理療法たり得るのかをどの程度意識しておこなっているか。 基本的で深さを孕むこの問いへのある意味での方向性を見せてくれる一冊。2011/07/21