内容説明
古代ローマ時代から現在まで、2000年におよぶ歴史をもつキリスト教。地中海世界の「新興宗教」が、いかにして世界的な宗教になったのか?なぜ各派にわかれたのか?世界史にどのような影響を与えたのか?予備校の元世界史講師が「カノッサ事件」や「宗教戦争」など30のトピックで解説。
目次
キリスト教誕生前夜
イエスの死と復活
教えは異邦人へ
帝国の軍神
神なのか神の子なのか
立ち向かう教皇
帝国の分裂と教会の危機
教皇権と皇帝権
修道院と農業改革
カノッサ事件の勝者とは〔ほか〕
著者等紹介
関眞興[セキシンコウ]
1944年三重県生まれ。東京大学文学部卒金後、駿台予備学校の世界史講師となる。2001年に退職し、歴史関係の本の著作・監修を多く行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Nat
28
前から感じていたことだが、キリスト教の歴史を理解しないと欧米の歴史は理解できない。また、カトリックとプロテスタント、そしてユダヤ教にイスラム教が複雑に絡みあって現代に続いている。2020/05/01
クナコ
13
初読。キリスト教の宗旨そのものに悪はないが、如何せん運営しているのが煩悩まみれの人間なので、利己的動機や自集団の利益優先で行動しがち。宗教はとかくばらつきがちな人々の倫理感を統一するツールとしては非常に便利なもの。同時にその統一集団の外に対して排他的になりがちなものだとも思う。キリスト教を中心として歴史の大要をなぞる。なかなか面白いテーマだった。ただ紀元前から現代までを駆け足で説明するので、歴史のボリュームに対しページが足りず説明不足感が拭えない。ついでに歴代教皇が数年単位で代替わりするので把握が難しい。2020/04/10
おとん707
10
筆者は元予備校の世界史教師。予備校の授業で教えるキリスト教についての断片的な事柄では満足できず、自分が本当に知りたいことをもとにキリスト教の視点で世界史を纏めたとのこと。キリスト教と言ってもカトリック、プロテスタントとその諸派、東方の各国正教と様々でそれが世界史を複雑にしている。さらに他の宗教との対立と迫害と侵略の歴史。こうしてみると宗教は果たして人類の平和に寄与しているのか考えてしまう。筆者はコロンブスのアメリカ大陸発見をカッコつき「発見」ないしは到達と表現しているが正しい表現だと思う。2022/03/27
lily
5
〜〜からよむ世界史など、一つの切り口から世界史を語るという本は数多あるが、そういった本で良書に巡り合ったことがない(もちろん、母数が少ないということもあるのだけれど)。本書も残念ながら同様である。やはり、世界史というのは複合的な視点が求められることを改めて実感した。2019/04/16
セシリア
3
筆者は塾講師だが、実に多くの文献を研究していて感心した。キリスト教の記述もかなり精確だと思う。世界史におけるキリスト教の存在の大きさを描くと共に、これからの宗教の役割も考えさせられた。もう一度、世界史を学び直したくなる著書だった。2020/02/29