内容説明
過ぎた「昭和」のあの時代、私たちは何を食べていたのだろうか。あの日、あのときの「味の記憶」は、暮らしの記憶までよみがえらせる。食べることは生きること…。この本を読めば、昭和という時代の姿と、あなた自身の「人生の歩み」が見えてくる。
目次
「食うこと」が大変な時代があった―戦前・戦中の記憶から(昭和元年~20年)(ツンと鼻をつく刺激臭(井出孫六(作家))
塩鮭と糟汁(常盤新平(作家)) ほか)
復興を支えたそれぞれの食事情―敗戦後の困難の中で(昭和20年~30年)(黄色い夏ミカン(白井佳夫(映画評論家))
運命のおでん(やなせたかし(漫画家)) ほか)
「生活」が変わったあの時期に…―高度経済成長前後を挟んで(昭和30年~40年)(卵とマーガリンの頃(村田喜代子(作家))
パンにバター(赤瀬川原平(作家)) ほか)
豊かな国の「表」と「裏」で―「食うには困らぬ時代」だったが(昭和40年~64年)(池袋の原宿ドッグ(泉麻人(コラムニスト))
はじめはフランスパン(高橋洋子(女優・作家)) ほか)
忘れられない“異文化の味”―食の世界の広がりを知って(サゴ椰子の味(大石芳野(写真家))
カイバル峠の羊肉バーベキュー(吉田ルイ子(フォットジャーナリスト)) ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kinkin
95
雑誌にリレー形式で連載された66名によるエッセイ集。どれも名エッセイストが書いたものでとてもおもしろかった。人はどうしても忘れられない味というのがあるようだ。特に戦争時代を過ごされた方は尚更だと思う。あなたのあの日、あの味は何ですか?と自分に問うてみた。友人とよくサザエを撮りに行った。今と違って漁業権がどうこうとうるさくなかった時代、時に大きな網いっぱいに採ることもあった。たくさん取れるとそう食べる気もなくなるが採ったすぐのやつを石にぶつけ海で洗ってそのまま食べるのは最高だった。その友人も去年亡くなった。2022/02/10
aki319
4
飽食の時代。なんでも食べたいものが食べられるようになりましたが、ホンモノを食べていきたいと思いました。小さい頃の方がちゃんとしたものを食べていたいような気がするなぁ。2010/06/13
ショコラテ
2
『記憶の味』なので、飽食と言われるいま読んでもひたすら美味しそう。自分のあの味、ってなんだろう?と考えてみても、はたして何も浮かんでこないのです。心が貧しいのかしら…。2012/01/14
オシャレ泥棒
0
【図】【途中】2014/05/18