ローマ劫掠―一五二七年、聖都の悲劇

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  • サイズ A5判/ページ数 508p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784480861160
  • NDC分類 237.05
  • Cコード C0022

出版社内容情報

1527年5月6日。聖都ローマは皇帝軍の急襲を受けて陥落し、凄絶な劫奪と文化破壊の一年が始まる。ルネサンスの9・11ともいえる歴史の大転換を描いた傑作。

内容説明

1527年5月6日、ローマは陥落せり。この日朝靄の中、教皇の座・カトリックの聖都にして世界の首都たるローマは、ルター派のドイツ人傭兵隊とスペイン兵を中心とするカール五世の皇帝軍の急襲を受け、まさしく一朝にして崩れ落ちる。それはしかし、酸鼻をきわめる蹂躙と掠奪、神聖冒涜と文物破壊、文人と芸術家ディアスポラの一年の始まりにすぎなかった。―イタリア戦争(1494‐1559)の歴史に名高い“ローマ劫掠”をルネサンス学の巨匠が描く美術史/精神史の傑作!図版135点。

目次

第1章 嘆きのローマ
第2章 悪の都バビロンとしてのローマ
第3章 聖都劫掠
第4章 論争―イタリア人と蛮族
第5章 クレメンス七世様式
第6章 教皇のローマ復興、皇帝のローマ凱旋

著者等紹介

シャステル,アンドレ[シャステル,アンドレ][Chastel,Andr´e]
1912‐90年。フランスの美術史・文化史家。フランス学士院会員。パリ大学、コレージュ・ド・フランスなどの教授を歴任。美術史方法論に社会史・精神史的知見を加えた見地から、ルネサンスの芸術、芸術環境、さらに広く社会史にまで及ぶ総合的研究で知られる

越川倫明[コシカワミチアキ]
東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了。国立西洋美術館主任研究官を経て、東京芸術大学美術学部助教授。専門はイタリア・ルネサンス美術史

岩井瑞枝[イワイミズエ]
早稲田大学大学院人文科学研究科芸術学専攻博士課程単位取得退学。パリ第四―ソルボンヌ大学大学院美術史学専攻博士課程修了。フランス政府給費留学生。富山大学人文学部教授。専門は宗教図像学・16世紀フランス美術史・西洋古版画

中西麻澄[ナカニシマスミ]
東京芸術大学大学院美術研究科修士課程修了。東京芸術大学常勤助手を経て、東京芸術大学、立教大学、宝仙短期大学非常勤講師。専門は西洋中世美術史

近藤真彫[コンドウマホリ]
イースト・アングリア大学美術史学科修士課程、東京芸術大学大学院美術研究科修士課程修了。東京芸術大学非常勤助手を経て、工学院大学、駒澤大学非常勤講師。専門は西洋中世美術史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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感想・レビュー

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松本直哉

25
指揮官を欠く傭兵の群に蹂躙されて、ルネサンスの栄華の絶頂にあった永遠の都はもはや永遠でなく、金銀の掠奪、聖職者の虐殺と婦女子の陵辱、貴重な美術工芸品や図書の毀損の無法行為のなかで、クレメンス7世教皇はローマ脱出を余儀なくされる。芸術を愛するこの教皇のもとで折しも花咲きはじめていたマニエリスム芸術は、その萌芽を無惨に摘み取られた。多くの人にとって世界の終わりと思われたこの劫掠の渦中にあって、ただ一人、描画に熱中するあまり兵士の足音にも気づかなかったというパルミジャニーノのエピソードが強く印象に残る。2023/01/04

メルセ・ひすい

2
14-20 赤14貴重本★5 ・五月の第六日、そを綴らんとする 筆さえ臆し乱れる、げに忌まわしき災厄と戦慄と暴虐の日、砲火と抜身の剣が踊るなか 猛々しくも恐れを知らぬ独逸と西班牙の 生贄となりて、あわれ我らが目の前で あまねく人より慕われしかの貴婦人ローマは 犬畜生と瀆神の怪物どもの手にかかり 道理も武器も奪われリ 斃れたり、大いなる都は斃れたり 赤き衣の淫婦が穢れの杯を手に掲げ 久しく棲みたりし都は斃れたり 嘆きにくれた聖父様は 苦悶と憂いにふさがれて 聖天使城なるその城の はるか稜堡の高みより ※  2010/11/28

横見鳥

0
一番目を引かれる絵は表紙の戴冠式の図です。聖顔布(ウェロニカ)が如何に尊貴かは異教徒には全く分かりませんでした。2009/08/12

だん

0
序文を読んだ時点ではローマ劫掠と初期マニエリスムの関係性を重点的に記述するのかと予想していたが、そうでもなかった。芸術家のPTSDという視点は、そうだよな…となるなどした。ローマ劫掠時にローマにいなかったミケランジェロの手掛けた「最後の審判」に他作品とは比較にならないほど量のページが割かれているのは少々奇異に映ったが、そこはミケランジェロの影響力の大きさ、天才性故なのだろうな。(著者ミケランジェロ好きでしょ?とは思った。)2023/11/17

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