出版社内容情報
今まであまり語られることのなかった『万葉集』の隠れた魅力について縦横無尽に筆を振るった『万葉集』こぼれ話。知っているようで知らないおもしろい話が満載。
内容説明
『万葉集』に「犬」は登場しますが、「猫」は登場しません。その理由を知りたい方は、ぜひ本書を繙いてみてください。熟達の木樵が万葉の森から伐り出した極上の話題の木々を披露します。
目次
新元号「令和」と『万葉集』
『万葉集』は「国民歌集」か
『万葉集』は素朴か
宮廷社会の特異なありかた
恋とは何か
僧の恋
和歌の表現の本質
旋頭歌はおもしろい
非正統の万葉歌―巻十六の世界
『万葉集』の歌にはなぜ敬語があるのか
暦について
万葉びとと山
『万葉集』の無常観
酒の歌
『万葉集』に「猫」はいない“付・猫の文学史”
怨霊譚三題
著者等紹介
多田一臣[タダカズオミ]
1949年、北海道に生まれる。1975年、東京大学大学院修士課程修了。東京大学名誉教授。博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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万葉語り
37
大学時代に学んだ万葉の記憶が蘇ってくるようなワクワク感とともに読み進めた。最近山登りにハマっているので、万葉と山の章は面白かった。奥と辺の神。天の香具山はなるほど人と神が出会える場所だった。酒、恋、怨霊など万葉には今でもわかる歌がたくさんあったなあと、久しぶりにテキストを捲ってみたくなった。2021-0392021/04/04
はるわか
9
壬申の乱に勝利することで確立した、天武皇統の不安定さ。多くの皇子の存在、皇位継承問題が弱点に。草壁皇子と大津皇子。謀殺される大津皇子。二上山と移葬。大津皇子の怨霊と鎮魂の寺、薬師寺。2021/01/31